【親馬鹿】

猫と蜘蛛

【親馬鹿】

【親馬鹿】


 私は困ったことがあると、右乳首と左乳首にアドバイスを求める。彼等はとても優秀なアドバイザーで、全幅の信頼を寄せている。右乳首には仕事や社会的な相談を聞いてもらい、左乳首には恋愛相談や家族友人関係の悩みを聞いてもらっている。

 乳首と熱心に会話をしていると、下の息子が『何の話をしているんだ俺も混ぜろ』と茶々を入れてくるが、『今、乳首先生と大切な話をしている。良い子だから部屋で勉強していなさい』と言って、フードを頭までスッポリ被せ黙らせる。息子は『ちぇっ!』等と小生意気な態度をとったが、素直に部屋に戻って行った。『先生、息子が失礼しました。話を続けましょうか』と言うと、乳首先生は『いえいえ、それより息子さん立派に大きくなりましたね、今お幾つでしたっけ? 将来が楽しみですねぇ』などと言って私と愚息を煽ててくれる。私はソレをまんざら悪い気はしなく素直に大変喜び、気を良くした私は乳首先生に秘蔵の酒を振る舞った。 


【親馬鹿】(完)

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【親馬鹿】 猫と蜘蛛 @nekotokumo

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