特に戦いも無双もない。1人の魔女と1匹の狼が旅をしながら様々な特徴を持った街を訪れるただそれだけの物語。しかし彼女達が人に触れ、街に触れる度に厚みのある世界観がこちらを文字の向こう側へと誘ってくれる。子供の頃、旅行に連れていってもらった時のような未知の世界を知る感動をまた味わせてくれる。そんな優しく美しい物語です。現実に疲れた人にこそ読んでもらいたい、きっと彼女達とこの世界が癒してくれると思います。
ここまで命の大切さを描写しているファンタジーは久しぶりに見ました。一つ一つの描写が丁寧で、何でもない場面でもついつい泣きそうになってしまいます。魔女が狼と旅をする。ただそれだけの話なのに、深い。内容が深い。1話1話がボリューミーで読み応えがあります。シオンとテオの掛け合いも凄く好きです。魔女と狼、というよりは仲のいい男女の会話という感じがしてとても不思議です。是非一度、読んでみてください!