リスタート!
@Retia
Ep.0 プロローグ
思えば私の人生は不幸の連続だった。
生まれてきた私を育てていくうちノイローゼとなった母と私が幼い頃から虐待を繰り返してきた父。
彼らは私が6歳の時に、交通事故で亡くなった。
引き取られた先は叔母の家。
叔母はとても親切だったけれど…私に自分を重ねていた。
重ねて重ねて重ねて。
そして彼女は……壊れてしまった。
致命的に。
決定的に。
自らの命を捨ててしまった彼女の遺体の前で…叔父が私に言った言葉は忘れられない。
「ーっ!この、死神がっ!」
叔父の家から追い出され、一人暮らしを始めたのは高校生になった時。
やっと落ち着けると思った。
それなのに…。
「キモいんだよ!」
「ばぁーか!」
私を待っていたのは壮絶ないじめ。
教師は相手にしてくれない。
頼れる家族なんていない。
そして…今。
私は目の前にぐんぐんと迫るトラックを前にして腕の中の少女を歩道に投げた。
「きゃ!」
ごめんね。
痛かったよね。
でも死ぬよりはマシでしょう?
許してね。
トラックの運転手さん。
仕事、忙しかったのかな。
でも居眠りしてちゃ、ダメだよ?
あぁ。
思えば私の人生は不幸の連続で。
でも。
最後に誰かの命を救えたのなら。
私という存在に、意味は会ったのかな?
うん。
なら良かった…。
私の意識は…そこで途絶えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます