諦めてはいけない。そこで成長が止まる

「フォ?フォフォ?さすがローラン!気づきおったか!フォフォフォ。だが当たるものか、フォフォフォフォ」


 空間の歪みが所々で解けているようだが、空飛ぶ男には当たらない。相手は移動して位置を変えているのだろう。もはや運を天に任せるしかない。


 パラパラと銃声が高速道路にこだまする。当たらない。


 トトトト…虚しい炸裂音が響く。……音が……響く?…僕は何か勘違いしている気がした。


 フォフォフォフォ……空飛ぶ男の不快な笑い声が縦横無尽に反響する。そう、縦横無尽に……


“カチ、カチ“


 ……しまった…弾切れだ。銃を放り捨て、僕は空を見上げる。


「フォフォフォフォフォフォ!!我の勝ちだ!ローラン」


 空飛ぶ男が満面の笑みを浮かべている。このままでは大勢の魔物に嬲り殺されてしまう。


 だが諦めない。僕は気づいたのだ。


 足元にある小さいブロックの破片を拾い上げ、軽く放る。腰を下げ、大腿四頭筋に力を入れ地面を強く踏みつける……

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