火炎瓶

 ふと僕はある案を思いついた。


 行き掛けに持ってきたホワイトガソリンを使えば良い。これにシュリンゲを導火線にして、簡易の火炎瓶にして投げつけよう。流石に火ならば、ゾンビ供もひとたまりもないだろう。


 早速、カバンからシュリンゲを取り出し、ホワイトガソリンに浸す。持っていた百円ライターでシュリンゲを燃やす。


 ホワイトガソリンに浸ったシュリンゲは勢いよく燃え上がった。よし、準備はできた。

 僕は”くらえ“とばかりに放り投げる。


 だが、僕の目論見は大きく外れる。


 ホワイトガソリンはに入っていたのだ。


 ホワイトガソリンは周囲に撒き散らされることなく、気色悪い男の横をスライドした。その周りでは、シュリンゲだけが赤々と炎をあげていた。

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