訪れた平和

「ヴァイ…もう…悪いことは…しません…ここにも…戻りません…」


 男は折れてない手で涙を拭い、ニューポートサイドから去っていった。


 僕は少しやり過ぎたと謝罪をし、心ばかりのお詫びにお土産で有名なシュウマイをあげた。


「ふ…悪は去った…しかし、気持ちのいい勝利ではなかったな…」


 コスプレイヤーがしたり顔で呟く。


 気持ちのいい勝利でなかったのは僕の方であって、お前じゃない。お前はただ自動ドアにぶつかっただけでは無いか。


 それに魔剣デュランダルがなきゃ倒せなかったんじゃ無いのか?バットでボコボコにしたら、泣いて帰ったぞ?あの男。


 僕はコスプレイヤーに心の中で毒づいた。

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