2人のモリアーティーと剣術と
アールブルー学園の授業
アールブルー学園には幾つも授業が有る。
薬学、科学、文学、一般教養、裁縫、調理、経済学、芸術、化粧、魔法、音楽…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
私の知る学問、私の知らない学問、知ってはいるものの全く別物……………………………様々な学問が有る。
それらを個々の裁量で選択して受けるのだが、ここ数週間、彼女を、シェリー君を見ていて思った事。
特待生とは聞いていたが、彼女は非常に優秀である。
苦手教科という物はある程度は有れど、全て平均ないしはそれ以上の圏内。
大概の内容はすべて理解し、どころか教師を授業後に問い詰める始末。
高貴な出では無い。とレッテルを張られてはいるが、それ故に知識や技能の獲得に貪欲で、努力を惜しまない。
貪欲と努力が組み合わさった結果、相乗効果で目覚ましい成長をしている。
少し私が気圧される程の勉強は伊達や酔狂では無かった訳だ。
しかし、それでも問題が無い訳では無い。
学園のオールトップでは無い。
理由は簡単だ。
貴族令嬢の連中の高度な教育と、それを経験してきた時間の差である。
元の能力は定かでは無いが、貴族令嬢の大半は家庭教師や優秀な教師連中から受けた高度な教育の跡があちこちに見られ、地力として高い学力が有る。
シェリー君がここ数年で初めて学問に触れ、積み重ねた努力の成果は濃密だが、それでも、年数がモノを言う物も有る。
特に、今行っている授業は、教科書ではどうにもならないタイプの領域であった。
『剣術』だ。
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