ひめごとれんあい ~美少女たちとの表に出せない恋愛模様~
FDorHR
プロローグ
愛染 時雨 <1>
秘めた想いを手紙に込めた古式ゆかしい様式美。愛する人への気持ちを込めたこの手紙、受け取った人間は青春の勝者と言っても過言ではないだろう。つまり、俺は今日この時を持って勝者となったのだ。
放課後、手紙で指定された屋上にて待っていたのは同級生の小柄な少女だった。
肩まで伸びた姫カット、制服は着崩しておらず校則通り。だが、野暮ったい感じはまるでない。派手ではないが要所を押さえてお洒落しているところがなかなかにポイントが高かった。内気な美少女、といったところだろう。
風に吹かれてわずかに揺れるスカートに少し胸をときめかせていると、少女は意を決したように口を開いた。
「あの、手紙読んでくれましたか?」
「はい、もちろん返事はイエスです!」
苦節15年。小学校のころから「彼女」という存在に憧れながら未だに彼女いない歴15年。しかし、そんな悲しき記録はついに今日で終わりを告げる。
ラブレターの少女は俺の返答に目を潤ませ、口元に手を当てていた。
手紙に名前は書いていなかったが、確か彼女は校内で見かけたことがある。
名前は何だったかな、と考えていると、その美少女から衝撃的な台詞が飛び出してきた。
「あ、あの、ごめんなさい。これ、友達との罰ゲームなんです」
「……はい?」
「だから、その、すみませんでした!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます