第108話 裸体

一つ大人になるたびに

剥き出しではいられなくなり

心に蓋をして

少しずつ嘘を覚えた

時が経つごとに

嘘はどんどんうまくなり

真実と嘘の境目は

見えなくなるほど薄まった


ねえ私はホンモノ?ニセモノ?


もう自分でも分からなくなるよ

どちらでもいいような気がして

それでもどこか気になって

きっとどこかにいるはずの

裸の私を探している

膝を抱えて震えている

小さな私を探している

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