第5話 沈む

繰り返し感じる失望

与えられる数多の切創

カラカラに渇いた感情

痛みすら感じることもない

もう何もかも捨てて

この身体という塊さえ

水底へと投げ込んでしまえ

這い上がるという意識すら

生まれぬまま沈んでいく

愚かなヒトという生き物

わずかに浮かび上がってくる

ささやかな空気の泡だけが

そこに生命の在る証

生きていることの証

最後の足掻きでこぼれ落ちた

涙は水にかき消された


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