暗がりに叫ぶ
マフユフミ
第1話 雨に溺れる
雨に溺れる人形の
硝子の目を見ながら僕は
朽ち果てていく感情の
抜け殻だけを拾い集め
閉ざされていく光は
青くその姿を眩まし
深く深いその流れの底に
ずぶずぶと沈んでいく
暴かれることのなかった
内に秘めたその激情は
冷たい水の底にいてもなお
熱を失うことを忘れ
何も感じないフリをした
愚かで純粋な少年の
伸びやかなその身体を
麻薬のように蝕んでいく
雨に溺れる人形の
硝子の目を見ながら僕は
この何者でもない肉体に
鈍く己の爪を立て
どうかその瞳だけは
濁ることのないようにと
精一杯の誠実をもって
心の奥で祈るだけ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます