物から伸びる透明な糸は所有者に繋がる。

見えていないけど確かにあるのだ。

大事であれば大事であるほど、ヘソの尾のように太くなる。

失くしたとしてもそれは繋がっていて、だから人は大事なものを無くすと探すのだ。

そうでなければ失くしたことにすら気づかない。

有り合わせのペンのように、鼻をかむための一枚のティッシュのように。

物はあなたに与えるが、あなたから時間を奪う。

物をたくさん持つことはとても貧乏なことだ。

ごみ屋敷のように満たされたようで、さもしい。

天啓ですら滞留すれば頭の重石となる。

動けない足と便利なツールは、いとも簡単に人を堕落させる。

物は質量以上に重く、時間を削ぎ落とす。

流産した思考は、酷く母体を呪う。

重い、重い、快活な社会は使いこなすのは難しい。

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