じぶんの旅

きりんじ

第1話 自分は誰だ?

_____ある草原で、誰かが気持ちよさそうに寝ていた。



小鳥のさえずりが聴こえる・・・

そして優しい風が自分の肌に触れて、なんだか心地よく眠れる・・・

草原の上で眠っているみたいだ・・・

日差しも暑くなくて、ちょうど良いポカポカ陽気・・・


はっ!と、目が覚めると自分は長い間、眠っていたようだった。

そして、こんなに気持ちよく眠れていたのは、とても久しぶりなんじゃないか?と思った。

自分は何で眠っていたんだろう・・・全然思い出せない。


周りを見渡すと、ただ広い草原が広がるだけで何もなかった。

こんなに青々とした草が生えているんだから、生き物ぐらいいるかな?と、少し移動してみたが、一匹たりともいなかった。


何もなくて、何も生き物がいないのに、何故自分がいるんだろうと思った。

だけど、ここにいる事に何故か違和感は無かった。

理由は分からなかった。


何か意味があって、たぶんここにいるんだと思う。

自分から選んだのか?誰かに選ばれたのか?

どちらにしてもここにいるのは、意味があるはず。


周りの事ばかり気にしていたら、全然自分の体の形に気づかなかった。

あらためて自分の体を見てみると、木だった。

何でこれが木なのか?と、もし誰かに聞かれたら、

「木だから」としか答えられないだろう。


ん?ちょっと待って。

私は木なら動けないはずじゃない?

もしくは、移動した気になって実は移動してないのかもしれない。


「じゃあ、たぶん移動しなかったんだ・・」

とりあえず自力で結論を出した。


そして、考えていたら頭が痛くなって、眠った。

(もう自分が木だとか、木じゃないとかどっちでも良いや・・)


そして、目が覚めると景色が変わっていた。






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