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胡瓜

遭遇「思いがけず、めぐり合うこと。予期せずに出会うこと。」

プロローグ

 結構な昔、こんな「話」を聞いた事がある。

「話」といっても噂やオカルトの実証バラエティ番組を観たのか雑誌内のエッセイを読んだのか、はたまた先生か誰かの与太話を聞いただけだったのか…「結構な昔」なので朧気だ。

 曰く、この世界──自分達が住んでいる世界、いや宇宙は別の誰かが作製・運用している「シミュレータのデータ」であり、ここで生活している自分達は自立で動くプログラムか人口知能みたいな物らしい。

 そんな映画や漫画みたいなことがあり得るのかよ?宇宙ができたのはビックバンからだって教科書にも載っていることだ、小学生でも知っている常識じゃないかと幼心に思ったことを憶えている。我ながら可愛くないと思う。

 時が経ち自分も順当に年を取り高校へ無事進学し…そんな結構な昔の記憶も薄れ、同級生や友達とのくだらない会話に頭に入ってこない授業に何とか赤点を免れるテストにとそれなりに日々を過ごしていたある日、目の前でそんな「話」を裏付ける出来事に巻き込まれてしまった。

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