バイとノンケの今宵も月が-愛美の目線-

如月愛美

第1話 出会い。

〇如月 愛美


どこにでも、居てそうな20代後半の女。


退屈な毎日に飽きて仮想空間へと依存してしまう。


毎日、決まったオンラインゲームに没頭する。

そこで、趣味の合う仲間と音楽を共有し

一時の会話を楽しむのだ。


それが、この仮想空間での愛美の決まったルーティーン。


ある日・・・。

いつもの様に、仮想空間の中で仲間の集う部屋を探して居た。

「今日は、ここの部屋にしよう。」

愛美は、何気無しにマウスのボタンをクリックして

目的の部屋へ入る。


そこに居たのは-…。

いつもの様に、知った顔ぶれは無く

フロアホストと呼ばれる、ホストらしき男性が1名。

挨拶も早々に、お互い無言になる。


でも-…。

初めて、出逢ったフロアホスト。

その人は、何故だか分からないけれど

画面越しからでも、“寂しさ”が伝わる様な人で。


会話も少ないままに、愛美は唐突に言った。


「貴方、寂しそう。」


フロアホストと呼ばれる男性は、

それまで、無言だったのに一言愛美に問いかけた。


「何故、そう思うん?」


「寂しそうだからだよ。」


初めて、出逢った2人の会話は

恐らく、それ位の物で。

これから、先の2人の行く末等お構いなしに

こうして、運命的に2人は仮想空間と言う

手の届かない場所から、スタートした。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る