第78話 お、おもい……

 吾輩はネコである。

 名前はちび太。



「お、重い……」


 ご主人様がベッドに横たわって呻いていた。

 ――10kgのお米と吾輩(約5kg)、合計15kgをおなかの上に乗せながら。


「息が苦しい……おっけーわかった、終了だ!」


 いったい何をしていたかというと、


「主人公が幼女に乗っかられて起こされるシーンを再現してみたんだけど、これは起きざるを得ない」


 小説のワンシーンを再現していたのだった。


「実際は幼女でも15kgよりもうちょっと重いもんな……っていうか、よく主人公が年齢の近い女の子に飛び乗られたりしてるけど、それくらいの年なら軽いって言っても40kgはあるだろ? 今試したのの3倍以上だろ? つまり、あれは創作ならではの表現だったんだな……」


 何ごともやってみる。

 一時のスランプから脱したご主人様は、今日もいつも通り創作に励んでいたのだった。

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