第66話 ひえひえまっと

 吾輩はネコである。

 名前はちび太。



 日中、ご主人様がお仕事に励んでいる間。

 吾輩は自宅警備の任についていた。


 つまりいつものようにお昼寝をしているのだが、締め切った部屋の中はとにかく暑い。


 もちろんお水は用意されているし、2枚重ねの遮光カーテンは強い日差しをしっかりと遮ってはくれている。

 しかし暑いものは暑いのである。


 そういうわけで、吾輩はベッドの上に敷かれた青色のマットにぐでーーと伸びて寝転がっていた。

 ご主人様が買ってくれた冷え冷えマットである。


 本来は人間用の物なのだが、猫である吾輩が使っても特に問題はない。


 吾輩が使うにはサイズが大きすぎるのを利用して、温くなってくると次の冷え冷えスペースに移る――というのを繰り返しながら、吾輩は日中の惰眠をむさぼるのだった。


 それもこれも、ご主人様が返ってきたら遊んであげるためであるからして。

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