第65話 くびわ
吾輩はネコである。
名前はちび太。
「ほい、ちび太。新しい首輪を買ってきたぞー」
ご主人様が愛用のエコバッグからまっさらの赤い首輪を取りだした。
何年かにいっぺん、ご主人様は吾輩の首輪を新しいものへと取り換えてくれるのだ。
「黒猫にはやっぱ赤が似合うよな~。スターウ○ーズの帝国カラーっていうか」
色はいつも赤だった。
ご主人様は古い首輪を取り外すと、新しい首輪と付け替えようとして――、
「うりうり~」
むふむふむふむふー
「うりうりうり~」
むふむふむふむふむふー
首元をわしゃわしゃと強めに指でかいてくれるご主人様。
「うり~うりうり~うり~」
むふーむふむふーむふー
普段は首輪があってかきにくい首元を、これ幸いとこれでもかとかいてくれるご主人様。
あまりの気持ち良さに、吾輩しっぽをベッドにビタンビタン!である。
そしてそんな風に何気ない優しさを当たり前のように見せるご主人様を、吾輩は大好きなのだった。
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