そして卒業式へ
それから卒業式までは あっという間だった。
西河、大塚、高山、クラスの皆をはじめ、この柳中学校で関りがあった人たちと最後の思い出を作っていたら、時間なんて“光陰矢の如し”で過ぎていった。
卒業式はとても清々しい気持ちで臨むことができた。
ちょっと前までの うじうじしていた自分とも卒業できたようでなんだか嬉しい。
そして、盛大に執り行われた卒業式と、その後の雨宮先生による最後のホームルームが終わり、余韻が続く中 俺たちは中学校を卒業した......!
「おい、西河 泣くなよ 暑っ苦しいー」
「だってよぉ、良い学校だったじゃんー!」
大塚がベタベタしてくる西河を引きはがしている。
卒業式後の、最後の下校はいつもの三人と一緒だった。
「お前はほんとに涙もろいなー!」
いつもの仕返しとばかりに、西河をからかってみる。勿論、先生に告白したときに自分も泣いたことは内緒だ。
「なんだとぉ! あ! お前 雨宮先生どうなったんだよー!」
「あー フラれちまったよ!このやろー!」
「あーあー、魅力が足りなかったんじゃね、ゆうちゃん~」
「その呼び方やめろー!」
「さわがしいな......」
落ち着いた様子の大塚がそう つっこむ中、西河と はしゃいでいると高山も、
「俺も
「え!? お前の好きなやつ南野さんだったんだ!」
と、もう どんちゃん騒ぎだった。
素敵な先生、楽しい友人に恵まれていたことを今は強く実感している。
高校に行っても こんな出会いがあればいいなと思う。
これからも、中学で培い 育んだ気持ちを大事にしていきたい。
春は出会いと別れの季節だ。
3月の中旬も間もなく終わろうとしている。
桜の花が咲き始めた。
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