第31話 闇の僕と光の女の子 五

 「あ~これかわいい!

 ってか、これ着て今から姫路城に行こっかな~!」

「えっ今から着替えるの?」

「もちろん!

 ってまあ思いつきなんだけど、せっかく旅行に来たんだし…ねっ!」

僕たちは旅行に来たてで、まだスーツケースもホテルに預けていない。

 でもそんなことは美玲にはお構いなしだ。女の子というのは、こんなにもショッピングが好きなのか…僕はそれを、思い知らされることになる。

 「…でも今から姫路城に登るわけだし、ワンピースとかはさすがにキツいな…。

 このワンピース、超かわいいけど…。」

「そう、だね。」

「じゃあやっぱりパンツスタイルにしよっかな~!」

そうやって約1時間。

 美玲は「ピオレ」内のショップをはしごし、ひたすら、今から着るであろう服を選び続けている。

 …僕は正直、姫路城に行く前から疲れ、またスーツケースも重く感じてきているのだが…、美玲は、本当に楽しそうだ。

 「よしっ、決めた!」

そう言って美玲は、黄色のブラウスと、薄い色のスキニーデニムを購入した。

 「かずくん…似合ってる?」

そう言う美玲は少し上目遣いになっている。

 そんな美玲がとてもかわいくて、洋服もよく似合っていて。

 「うん、美玲。とってもかわいいよ。」

僕は、自然とそう言う。

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