六甲おろし

北風 嵐

第1話 六甲おろし

阪神タイガースの歌(六甲おろし)

佐藤惣之助・作詞/小関裕而・作曲


六甲颪(おろし)に 颯爽(さっそう)と

蒼天(そうてん)翔(か)ける日輪(にちりん)の

青春の覇気 美(うるわ)しく

輝く我が名ぞ 阪神タイガース

※オウ オウ オウオウ 阪神タイガース フレ フレフレフレ


闘志溌剌(とうしはつらつ) 起(た)つや今

熱血既(すで)に 敵を衝(つ)く

獣王の意気 高らかに

無敵の我等ぞ 阪神タイガース

※繰り返し


鉄腕強打 幾千度(いくちた)び

鍛えてここに 甲子園

勝利に燃ゆる 栄冠は

輝く我等ぞ 阪神タイガース

※繰り返し


 これは阪神タイガースの応援歌ではないですか。演歌とは援歌でもあるのです。人生の応援歌!援歌でええんかぁー!一般的に演を使いますが、艶歌とも。怨み節の怨歌とも書くことがあります。

カラオケを除ければ、日本で一番歌われている歌と云えば、この歌ではないか。勝利すれば、甲子園の4万人の合唱が始まる。ビジターでも今や阪神タイガースの人気は不動である。甲子園でない場合は半分として2万人である。これにテレビの前で歌う人を入れれば、誰も『歌われる歌』のトップに上げても異論はあるまい。今年は勝率がイマイチであるので減っても、その地位は(歌の地位です)不動である。阪神タイガースの魅力は、語ればゆうに本1冊になるので、今回は語らない。ともかくこれだけの声援を貰える幸せものなのである。


 六甲颪(ろっこうおろし)とは、六甲山系より吹き降ろす山颪である。六甲山地は神戸市から西宮市の市街の背後に東西に聳え立ち、風の流れを変化させる。西高東低の冬型の気圧配置となると西の明石市からの季節風は、明石海峡で収束して山添いに強く吹き抜ける。或いは季節風が山頂に当たってから、加速度をつけて吹き降りてくるのが六甲颪と呼ばれる北風である。この北風は左党には幸せもたらす風である。

 灘五郷で作られる灘酒の名声は、原料、生産方法、品質、販売の四大要素の好循環に加え、これらに加えて自然的要因が注目される。即ち、灘の酒造りは寒造り主体で発展したと言われている。寒作りは冬至に始まり、年間で最も寒い季節を選んで行われる酒造りであり、敢えて低温下で酒造する事で雑菌の繁殖を抑えて酒の品質を向上させる。六甲山系から吹き降ろす寒風は内海の影響を受けて寒作りに最適な気候をもたらす。これが西宮市で発見された仕込み水「宮水」と供に灘酒の名声を全国に広めた要因の一つである。


 でも、今から語る二人には幸せの風となったのであろうか。

阪急京都線の淡路駅で乗り換えて、千里山線の一駅目に下新庄という駅がある。そこにS製薬という目薬で有名な会社がある。R製薬と共に、誰もがその名前を聞けば頷く会社である。その会社にマッチャンは勤めていた。

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