第15話 ゴールとは? 1


 お金の使い方(実践編)から4日経ちました。


 基本的に最初の2日間と同じような日々をゼノスさんと過ごしてます。

 今日はいつもとちょっと違う事が。


 それは昼前に関所を越えましたよ。



 えぇ・・・生まれた国を出ましたね。あれ?関所越えってちょっとじゃないか?

 まぁ出たと言ってもあんまり代わり映えがないが。

 強いて言うならば・・・紅葉が綺麗です。


 えぇ・・・確実に、街とか村とか辺りには見えないのですよ。


 ゼノスさんと家を出る時に話した内容を思い出すに、最後の場所には約一週間で着くと言ってた。

 今日は6日目・・・。

 そろそろ捨てられるのかな?


 因みに現在は、3時頃。

 ここでお別れ~とかなったら死ぬのでは?

 秋って言っても夜は冷えますからね!

 前世の様に温暖化とかないから、ガチで寒いよ!


 明日の朝に捨てられますように・・・と願っていたものの、そこはほら、テンプレだからね・・・。

 馬車は停まっちゃったよ・・・。


「お嬢様、ここで降りて下さい」


 無情な言葉と有無を言わさぬ目線で、ゼノスさんは扉を開けた。

 これに逆らうなんてむりぃ~!!仕方なく馬車を降りました(泣)


「では、ここが約束した場所です。森の中ではありますがこのまま真っ直ぐに歩いて行けば夕刻にはこの先の村に着けると思います。それからこちらを」


 ゼノスさんの手には革袋が。


「当面の金銭です。旦那様よりお預かりした物ですよ」


 と言って渡してきた。


 意外にもずっしりとした重み。

 ここでウジウジしてても仕方がない!元からお別れする事にはなっていたわけだし、お金の使い方も学んだ。

 食料と着替えなんかも貰ったし、お金もくれた!


 ただ1つ、全く知らない所に放り出されるこの心許なさ・・・。

 これだけはどうにもならない・・・。


 それでも


「ここまで色々ありがとうございました」


 ゼノスさんに笑顔でお礼を言った。

 ゼノスさんも思うところがあるだろうが


「はい。では、お元気でお過ごし下さい」


 と一礼して馬車の御者台に乗り込んだ。

 Uターンして去る馬車を暫くは見つめていたが、ゼノスさんの言う通りならこの先に村があるはず。



 そこで、宿を取れるといいなぁ~

 思ってても仕方がないので、夕刻までに村に着けるよう歩き始めた。

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