第22話 家出少女

真夜中を歩いている。ハリボテの家庭を抜け出して、街灯の光を目印に光に集る虫のように、私はただ眠れる場所を探していた。山の中へ入る、蛍が揺らめくように飛んでいて黄色い水玉模様を夜空に描いていた。私はその光景に畏怖と切なさと美しいものを愛でる気持ちとに支配されて、気づいた時には座り込んでいた。ガードレールの向こう側には水が溜まっている。揺れる水の音が聞こえる。ざわめく木々の擦れる音が聞こえる。ふと、空を見上げると小さな赤色の玉があった。それは少しずつ大きくなる。家族といれば良かった。私は目を閉じた。

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