めーてい探偵 大井鳴紫明にお任せあれ!!

いずも

プロローグ

第0.2話 週末探偵って格好良いじゃん!

 その界隈では名探偵として知られる大井鳴おおいなる 多比茲たびじという男がいた。

 彼には娘が一人、彼女の母親は若くして死別。

 ずっと男手一つで彼女を育ててきた。


 同じく探偵で明日葉あしたば 和守わがみという男がいた。

 彼には息子が一人いて、その母親は彼が幼い時に亡くなっている。


 似たような境遇の二人は出会ってすぐに意気投合し共同生活を行うようになる。

 二人の子供は兄妹のように育てられた。


 しかし息子が中学生の時、彼の父親は事故で帰らぬ人になった。

 その後も大井鳴おおいなる多比茲たびじは娘と同様、彼も自分の子供のように愛した。


 そんな多比茲たびじも忽然と姿を消してしまった。

 息子が大学を卒業して、娘が高校二年生に進学する半年ほど前であった。


 事件に巻き込まれたのか、事故に遭ったのか。

 生きているのか、死んでいるのかさえ不明。


 兄は卒業を機に妹の保護者として彼女のもとに戻ってきた。

 彼女は高校に通う傍らで父の跡を継ぎ、週末だけの探偵事務所を再開する。

 父の失踪の手がかりを掴むため、探偵稼業に勤しむのであった――。



「お前が探偵する必要あるのか」

「週末探偵って格好良いじゃん!」

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