第2話 殺人予告

 立川、青田両刑事は、以前の事件のよしみで捜査一課でありながら、公安案件だが、私立静内大学を訪ねていた。

 相変わらず黄みがかった白い大きな本校舎(南舎)が出迎える。南舎のほぼ中央にあるアーチ状に開けられたの通路を通り理事長室のある中舎へ向かう。何度も来ているので誰に尋ねることもない。

 夏の日差しも、南舎の影になる中舎は少しひんやりとしていた。

 額の汗をハンカチで拭う。

 階段を上がり、二階の廊下に行くとすでに、教職員を統括している三上先生が待っていた。

 ―相変わらず、狐のような顔だ―と青田は思った。

 逆三角形の顔に、細すぎる目、ずる賢そうな雰囲気がにじみ出ている。

 三上先生に案内されて理事長室に入る。

 そこには理事長卓に理事長である静内しずない 由子よしこが座っていて、二人の刑事の入室に立ち上がり、応接ソファーに近づいた。

 その応接ソファーにはすでに女性がいた。女性というにはまだ女子と言った感じで、

「ここの学生です」と三上

「栄養学部一回生の沢口 由子ゆうこです」

 と立ち上がって頭を下げた。

 大人しそうな子で、まだ慣れていない感じを受けた。

 ソファーに座ると、三上がお茶を用意して椅子に座ったのを見て、立川が理事長のほうを見る。

「それで、殺人予告というのは?」

 と切り出した。

 理事長は眉をひそめながら、二通の手紙を机に置き、

「こちらがワタクシ宛てに届いたもの、こちらが、沢口さんに届いたものです」

 と置かれた手紙は同じ封筒に入っていた。ただ、あて名が、違っていた。差出人の名前はなく、消印や切手もなかった。

「拝見します」

 立川が理事長の、青田が沢口の封筒を開けて手紙を取り出す。

 理事長の手紙は、ペーパーナイフできれいに開封されていた。沢口のほうは、封筒の短辺をはさみで切っていた。二人ともきれいに開封するタイプのようだ。

 便せんも見た限りでは同じもので、文面も同じだった。


五年前の8月3日のことについて真実を話せ

さもないと8月4日、お前の命はない


 という短い文だった。

「この、五年前の8月3日に心当たりは」

「ありませんわ」

 理事長の即答は質問をした立川の最後の言葉にかぶった。立川は首をすくめ、沢口のほうを見た。

「沢口さんは?」

「ありません。今まで考えていたんですけど。

 五年前、私は中学生でした。地元はT県です。中学の時は吹奏楽部に入っていて、夏休みはほとんど部活に出ていました。地元ではちょっとは有名で、夏休みっていう休みは、8月の14、15日ぐらいだったと思います。それでも、その日だって練習してました。

 楽器ですか? 私はクラリネットです。そうです、壊れて鳴らないあれです」

 沢口は19歳という年頃の女の子の例にもれず歯を見せ、にこやかに笑った。

「理事長は、T県へは?」

「行った事はありませんわ。ワタクシ、旅行なんて大嫌いなんですから」

 立川は理事長を見たが、それに対して必要以上に聞かなかった。あまり重要ではないだろからだ。

「五年前ではなく、それ以前、もしくは、去年の8月3日とかでも、何か、こういった手紙を受け取るようなそんな事件に巻き込まれませんでしたか?」

「ワタクシはありませんわ」

「私もありません」

 二人はきっぱりと言い切った。

「では、日付は別にして、こういう手紙を受け取らなければいけないような、そんな出来事は?」

「ありませんわよ。人に恨みを買うだなんて……あ、あぁ」

 理事長が思い当たったのか、顔をしかめ、

「金田先生ならやりかねないわね」

 と言った。

「金田……金田 一華先生ですか? 考古学部の?」

「ええ、そうですよ。あの人でしょうね。ほんと嫌な人」

「……一華先生から恨みを買うような何かをなさったんですか?」

「するわけないじゃないの。だけど、絶対にあの人よ」

 理事長の言葉はいい加減で、明らかに違うだろうと判った。

 立川は沢口のほうを見て、

「君も、一華先生だと思う?」

「……私、学部が違うので、その先生を存じ上げなくて、」

 と申し訳なさそうに言う。

「食堂のテラスで編み物している白衣の人だよ」

 と青田が言うと、

「あぁ、オバちゃん先生。あ……、皆がそう呼んでいて、その呼び方しか知らなくて。あ、でも、怒られるようなことはありません。授業を受けたことありませんし、話したことすらありませんから」

 青田が首をすくめ理事長を見る。


「だとしても、絶対にそうですよ」

 と理事長が譲らなかったので、一華のもとに行くことにする。

 沢口には申し訳ないが、一華の面通しも兼ねて同行してもらうことにした。

 一華はいつも通り、食堂の外のテラスで編み物をしていた。

「どうも、一華先生」

 立川の声に顔を上げる。しばらく刑事と沢口を見てから、

「あ、あぁ。……立川さんと……青、青?」

「青田です」

「そうそう。失礼しました。それにしても暑いですね。という話をしに来たわけではないのでしょう? どうぞ、座ってください。風がさえぎられて暑いです」

「それは失礼」

 立川は座り、青田と沢口が大学内の購買代わりに入っているコンビニにジュースを買いに行った。

「あの生徒をご存知ですか?」

「あぁ、あれ生徒でしたか? いやぁ、若い婦警さんだぁと思ったんですよね。婦警さんにしてはひ弱だと思いました」

 一華の言葉に立川が笑う。

 アイスコーヒーが三つと、何とかという緑色のスムージーが置かれた。一華がそれを取り上げ、それを見て眉を顰める。

「ほんと、女子ってこういうの好きだねぇ。うちの生徒もこういうの飲んでるけど、旨そうに見えないというのはいかがなもんかね?」

 一華は沢口にそれを渡すと、コーヒーを手にして、砂糖を二個、クリームを二個入れる。

「甘党ですね、相変わらず」

「そう?」

 青田に返事をしてから、編み物を片付けて広がった机に手を置いた。

「それで?」

「理事長に手紙を出しましたか?」

「手紙? あの?ババアに? なんで? 報告書ならいざ知らず、手紙? 香典の電報を出すことすら抵抗があるのに」

 一華の言葉に立川が鼻で笑い、コピーを取った分―原本は証拠袋保管で青田が持っている―を机に乗せた。

「五年前の8月3日の真実を話せ? さもなければ、8月4日におまえの命はない? ……あたしが脅すなら、今晩窓はきっちり閉めとけよって書くけどな。あと、一週間ですか……で、ババアがあたしが出したと言っているわけですね?」

「そうです」

 立川がはっきりと答えた。

 一華は首をすくめて笑い、手紙をもう一度見た。

「それで、彼女はどういう関係で?」

「彼女は―」

「栄養学科一回生の沢口 由子です。私のところにもこれが届いたんです」

 一華が沢口のほうを見た。

 おとなしい性格だろう。勧められて髪を染めているが、激しい色ではなく、そのくらいならば染める必要がないのではないかと思われるほどの色だ。服装もはじけた女子大生には程遠いい格好をしている。

「五年前は中学生ぐらい? そんなこと、うちのババアと何の関係があるんだか?」

「本人たちはないと言っているし、沢口さんはT県出身で、理事長はT県に行った事はないという。旅行嫌いらしいね、」

 立川の言葉に一華は意地悪そうな笑みを浮かべ、

「旦那、この大学を作った初代理事長。あの正門のところの胸像の人。あのババアの亭主。

 あの人も元々は考古学者で、あたしの先生だった。あの先生、家族をそっちのけで考古学であちこちに行くんで、一年のうち家に居たのは五日も無いんじゃないかな? それでも子供が二人いるんだから、面白いのだけども。

 まぁ、そうやってあちこちに行く亭主に振り回されたあげく、

「今の日本にいい考古学者がいないのは、専門の学校がないからだ」

 って、私財投げ打ってこの大学作ったんだけども、考古学だけで生徒が集まるはずもなく、他の学部をそろえて開校した半年後、巨額の借金を残して死んじゃったもんだから、考古学は嫌いだし、旅行は嫌い。って理由で、考古学部の排除をしようとしているし、実習移動をあまり良しと思っていないんだよね。

 とはいえ、うちの大学の学生は発掘現場での評判が良くて、就職率が高いんで、生徒が減ればすぐにでも潰したいところだが、就職率の高さで生徒が集まってくるんで、気に入らないったりゃありゃしない。というところなんだよね。

 だからね、あのババアの前で、旅行が楽しかったとか、飛行機とかの話をすると、すぐに減俸だったり、無かったり。まぁ、大袈裟だろうけども。

 大袈裟でないのは、以前、考古学部に振り分けられる年間予算が三分の一にまで下がった時があってね。それだけだと、遺跡品を保管している部屋の冷房代ぐらいで、学生の移動費や、校外学習にかかる保険代などが支払われないってときがあってね、そん時、あたしの知り合いに、とある有名博物館の館長がいて、いい生徒を推薦してくれと。学校を通さないのは、勉強ができる人は要らない。ガイド案内をするにあたって面白い人が欲しい。という要望でね、大学に報告せず一人紹介したのさ。

 この子がまぁ、実に面白く。あたしはすぐに推薦状を書き、正式に向こうへ行ったんだけども、それが、大学を通さなかったとはいえ、この大学始まって以来の大手就職口なんで、ババアたちはそれを認めざるを得なくなったし、あたしには、他にどんなパイプを持っているんだって聞くけど、そんなもの覚えていない。だから、あたしを辞めさせられないし、考古学部を潰せなくなって、だから嫌われているんだよね」

 一華はそういってコーヒーを口に含んだ。

「だからって、意味不明な五年前などという時間も、ましてや、8月3日に何の用事もない。世間的に何かある?」

 一華の言葉に青田が、

「甲子園の抽選会があって、対戦相手が決まる日ですかね」

 と言った。

「甲子園かぁ……、もうそんな時期ですか。暑苦しいねぇ。

 うちの学部に藤本という先生がいるんだけども、大の甲子園好きで、だからって野球が好きかというのとは違っていて、いや、野球も見るようだけど、甲子園が好きらしくってね、ずーっと、ずーと、ラジオを流すもんだからみんなうんざりするんですよ。今年は、発掘実習へ行ったんで、学校内での作業実習は静かでいいんですけどね」

 一華はそういってもう一度紙を見た。

「五年前の8月3日に何があったんでしょうかね? 真実を明らかにしなければ命がないほどの事件。例えばどんなものがあると思う?」

 一華の問いに沢田は首を傾げ、

「思い当たりません。どんなことがあるんでしょうか?」

「……あなた、刑事ドラマとか、推理小説とか読まないほう?」

「はい。苦手です。長いですから」

 一華は頷き、頬杖をついて黙った。

「例えば、脅し……脅された相手が、脅した人間に真実を言わせようとしているとか?」

「そんなこと、中学生でしたし、しません」

「例えばだよ。五年前のことを今になって真実を話させようとする。なんて、よほど根深いことじゃない? 

 でも、脅しぐらいで五年という月日を待つとは考えにくいし、恐喝するなら間を開けずに、搾れるだけ絞るよなぁ。

 となると、恫喝、恐喝の類じゃないでしょ?

 ここでふわっと軽めのことを考える。五年前、人助けをしたとする。それが新聞沙汰となったが、実は別の人が助けた後で介抱していただけとか、たまたま通っただけとか、おかげで、ヒーローになり損ねたとか」

「それこそ五年も気にしませんよ」

「だろうね。それが善意の好意ならばね。作為的な行為であれば根に持つだろうけど、それならすぐに言いに行くだろうね。

 となると、なんだ? 何がある?」

「殺人……やぁ、どうも」

 この大学の数学准教授の佐竹 拓郎たくろうが椅子を引き寄せて座った。

「何かの事件の犯人宛てに、」

「そんなわけないじゃないですか、」

 沢口が眉をひそめて訴える。

 佐竹は沢口の行動で、この殺人予告が彼女に来たことを悟る。

「では、殺人のような重度の犯罪じゃなく、なんで五年も経ってこんなものが届く? しかも、身に覚えがなさそうな彼女のような子に。例えば、私や、いい大人ならば、五年前だっていい大人でしょ? それならば、何かしらのことがあるかもしれない。でも、五年前少女で、子供で、しかも、この場に居なかったという人間になぜ送る?

 もし、殺人予告を彼女宛てに送るとしても、ストーカー的文句が並ぶはずでしょ? 一目ぼれをしてやったのに、他の男と話していたのが許せないとかなんとかかんとか。なのに、そういうことではなさそうじゃない?

 だとしたら、いったい何の目的と、何を言っているのか?」

「だとすると、この五年前の8月3日を調べる以外なさそうですね」

 佐竹の言葉に青田が首をすくめる。

「あ、あぁ、警察は事件が起こらない限りは動けないんですね? この手紙だけだといたずらだとも考えられるし、もし、送りつけられた人が、それこそ怪しい過去を持っていそうならば別でしょうが、まったく思い当たらないとなると、警察としても、8月3日と4日に気をつけてください。何かあればすぐに連絡してください。としか言えませんね」

「そういうことです」

 と青田が言った。

「理事長のところにだけならば鼻で笑ってすますはずだったそうですがね、彼女のところに来ていた。同じ大学にいる者が二人。しかも彼女は学生だから連絡をしてきたんですよ」

 青田の説明に佐竹は沢口が同校の学生だと知る。

「婦警さんにしては若いと思いましたよ」

 佐竹の言葉に一華はほくそ笑み、

「ところで、理事長の所へいつ来たんですか? これ、ポスト直投函でしょ? 切手ないから」

「たくさんあるうちの手紙で、たぶん、20日か25日の間だろうということです」と青田。

「沢口さんのところは?」

「10日です」

 一華が首を傾げる。

「今月の10日と11日は、栄養学部だけのオープンキャンパスの日でした。その日に焼いた小麦粉、卵不使用のケーキが好評で、とても気分良く帰ってきたら、ポストにあったんです。

 その前日は母からの手紙が入っていて、その時ちゃんと他がないことを確認してます。ですから、10日です」

 沢口ははっきりと言った。

「理事長のちゃんとした日付は解らないと?」

「一週間ずつためて金曜の夜に見るそうです。あぁ、重要でない手紙は。ただ、その週の金曜日は大学連の会で夜遅くなり、今日の朝になってやっと見たと言っていました。

 見て不愉快になっているところに、三上先生が彼女を連れてきたそうです」

「三上先生に相談したの?」

「先に、ゼミの先生です。山本先生です。でも、こういうのは警察沙汰になるかもしれないし、そうなると危ない生徒は学校に居てほしくないと言われて、」

「……山本先生、そんなやつはクビにしろ」

 一華がぼそりと言い、拓郎がなだめる。

「それで、三上先生を紹介されたと?」

「いいえ、友達が、山本先生があんまり当てにならないので、生徒のこととか統括しているのは三上先生だから、三上先生に相談しに行こうと言ってくれて」

「三上先生らしくない対応の速さ」

 一華の嫌味に拓郎は苦笑いを浮かべながら、

「それで、三上先生がすぐに理事長先生の所に?」

 沢口は頷いた。

「一応、こういう手紙が来ていたということを、三上先生は先に見せられていたそうで、いたずらでしょうと、そのままごみ箱に捨てたところだったそうです。慌ててそれを拾い、文面が同じなので警察に連絡してきたというわけです」

 青田が説明する。

「……たしかに、今の段階では、警察の措置以外のことは言えないよね。身に覚えがないのならば、その日を無事に過ごすように手を打つしか。友達と一緒に居てもらうとか、親元に帰っておくとか。そう言う段取りを取れる限り取っておくことをアドバイスする以外ないね」

 沢口もそれ以上のことはできないだろうと理解したらしく、不安そうに頷いた。

「まぁ、何か思い出したら言ってきな、8月3日じゃなかったかもしれないけど、ひどい行動ではなかったかもしれないけど、引っかかるような、そんな些細なことでも。あたしは、ここか、考古学棟の、Z16号室にいるから

 それから、3日、4日には注意して、誰か側についてていてもらいな」

「3日もですか?」

「3日までに行動を起こさなければいけないのでしょ? その手紙からすると。そうなると3日に見張られる可能性はあるだろうし、3日から4日にまたいですぐかもしれないからね」

「3日は友達の家に泊まります。……4日のバイトへ行くときだけ、一人です」

「彼氏か、友達にいてもらうことを勧める。一人で居るより、二人で居たほうがいい」

 沢口は頷いて立ち去った。


 コピーの文面を拓郎が見る。

「一体何のことやら、ですな」

「まぁ、警察がこういうことにいちいち動いていられないてのは理解できるしね。そもそも、彼女たちが覚えていない以上、警護のしようもないしね」

 青田が頷く。

「仮の話し、」

 拓郎がふと辺りを見た。

 この夏の暑い中、テラスを利用している生徒は居なかった。みんな冷房の効いた食堂の中にいる。こういうところでも、一華が変わり者だと言われるのだろう。と拓郎は思いながら、

「殺人がらみだとしたら、えっと、彼女は何回生? 一回生ということは19歳だから、14歳、中学生? 中学生が殺人に絡むとするなら、被害者か、加害者の娘か、同級生が自殺したとか、いじめをしそうなタイプではないから、親友を見殺しにしたとか? そういう感じなら考えられますよね?」

「だが、同じ文面が理事長のところにも届いている。だけど、二人の接点は、今同じ大学にいることだけ。彼女の田舎であるT県に、ババアは行っていないという。

 あのババアは性格的に悪いけれど、殺人を起こすなどということはない。と思う。殺人に関わるようなこともね。知らず知らずに合格者を不合格だとしたり、受験生を名前が気に入らないという理由で落としたりしない限り、生徒の合否に関わることもない。

 ましてや、当時中学生の少女と関わるような人じゃない。彼女の中では、中学以下はすべて幼児で、まるで話の解らない宇宙人だという考えがあるからね」

 拓郎が苦笑する。

「それは、受験資格がないから、もてなさないってだけで、……でもまぁ、行ったことのない県の、中学生ならば接点は皆無でしょうね。となるとなぜ五年前なのか? 日付の指定も微妙だ。いたずらなら、何かしらの暗示があってもよさそうじゃないですか、4月1日とかね。格別何事かがあったわけじゃないのに」

 一華が嫌そうな顔をしてコーヒーを口に入れる。

「警察としては、勝手に調べることに止める権利はない。危険行為が起きない限りは静観する。ですか?」

 一華の言葉に立川は何も言わずに立ち上がり、

「コピー、置いておきますよ。あぁ、これは封筒のコピーです。両方とも同じです」

 そういって二人の刑事は帰っていった。


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