だから私は恋ができない

S

前説

 その日、私は恋に落ちた───


 満開の笑顔でスポットライトを浴びる彼は、舞台上の誰よりも輝いている。

 飛び散る汗はキラキラと光って、まるで星屑だった。

 頭を強く殴られたような衝撃。早くなる鼓動。


 放心状態の身体を引きずり、おぼつかない足取りでなんとか帰路につく。

 頭の中はさっき見た彼の姿がこびりついて離れない。彼のこと以外考えることができなかった。


 これが全ての始まり。

 この日から私はとなった。



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