平成ジャンプ

勝利だギューちゃん

第1話

今年も6月となった。

ついこの間、年が明けたと思ったのに、

早い物だ。


既に今年になり、さまざまな事が起こった。

まず平成が令和になった。

これが、一番の事件だろう。


ところで、昭和に生まれて、平成を未婚のまま過ごし、

令和を迎えた人に、皮肉をこめて、「平成ジャンプ」というらしいが・・・


「悪かったな!昭和生まれの独身で・・・」


しかし、他人の世間体のために、したくもない相手としてくもない結婚をし、

人生を犠牲にするよりかは、ましだ。

したくもない結婚をして不幸になっても、その世間は責任は取ってくれない。


特にしつこい叔父がいて、俺の考えを全面否定し、

自分の考えが全て正しいと、押し付けてきた。


結婚も、そのひとつで、しつこくお見合いさせようとしていた。


『幸せになれば、俺のおかげ。不幸になれば、お前の責任。』

「ふざけるな」と、どなりちらしてやった。


さすがに、あそこの球団のファンだけはある。

その叔父は、もう死んだ。

ようやく、解放された。

その時は、生まれて初めて、神様に感謝した。


「お前は地獄に落ちる。僕は天国に行ける」が口癖だったので、

天国で、幸せに暮らしているだろう。


よかったね。おじさん!

天国で、お幸せに・・・


で、俺は誓う。

「ついでに、令和もジャンプしてやるか?跳躍力には自信があるんだ」

わけもなく、ふんぞり返る。


でも、無事にジャンプできるように、体を鍛えておこう。


「その必要な無いわよ」

「なぜ?」

「言わなくてもわかるでしょ?」

「ああ。俺の寿命が持たないのか?」

まあ、だらだら生きるくらいなら、切れたほうがいいな。


「外れ。そういう意味ではないわ」

「まさか、縁起でもない事言わないよな」

「言わないよ。令和はまだ、終わらないわ」

何か笑っているな・・・


「俺、でき婚は嫌だゾ」

「君は、真面目だから、その心配はない」

「で、令和をジャンプする必要のない理由とは?」

声の主は、言った。

完全に、呆れながら・・・


「今日は、私と君の結婚式。寝ぼけた事いわないの」

「ごもっとも」

「いいかげん、覚悟を決めなさい」

「へいへい」


この女とは、仕事関係で知り合った。

それだけの関係だったが、俺は押し切られた。

いわゆる、押し掛け女房。


俺に惚れた理由をきいても、はぐらかされる。


とにかく、令和で着地を出来たわけだが・・・

もうジャンプはしないでおこう・・・



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平成ジャンプ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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