夜のブランコ

zizi

第1話

 新学期がはじまり、小学4年生のなったリナちゃんですが、最近学校から帰ると、家に入る前に玄関先で首を傾げることが多くなりました。


 それは玄関ドアの横に置いてある陶器製のウサギの位置が少しずつ違っているように思えてならないのです。


 ある日、学校から帰るとキッチンにいたママに聞きました。

「ママーぁ、玄関のウサギさんさわった?」

「ううん、さわってないわよ、どうして?」

「だったらいいの、なんでもない」


 夜になってテレビを観ているとき、4つ上の中学2年生になるお姉ちゃんにも同じことを聞きます。でもお姉ちゃんの返事はママと同じでした。


 家中の誰も知らないことで、リナちゃんは気のせいだったんだと思ったのですが、なぜかウサギのことが頭から離れなくて、ベッドに入ってもなかなか眠ることができませんでした。

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