第15話 男女は平等だ

 セクハラ親父の男尊女卑について書く。


 2019年、まだ令和元年になる前。

 父のマンションに行ったとき、先にセクハラ親父は、父の姉といっしょにテーブルを囲んでいた。


 マンションまで車に乗ってきて、一休みしたいな、とわたくしが椅子の一つに腰かけると、セクハラ親父は、当然のように、わたくしに対して笑顔で言った。


「お勝手手伝ってきなよ」


 と。

 マンションのお勝手は、信じられないほど狭い。

 先に母が立っていたため、わたくしが積極的に手伝おうとすると、込み合ってうまくいかない。

 経験済みであるから、わたくしは、

「はっはっは!(おまえ、バカじゃない?)」

 と笑い真似をして、席を立って母の指示をまった。

 しかし、なかなか出番が回ってこない。

 立ちぼうけして、疲れた。


 それを今思い出して書くのだが、どうして、他にも人がいるのに、わたくしにだけ、

「お勝手手伝いなよ」

 と彼は言ったのだろうか。


 彼に言われるまでもなく、わたくしは家の家事を一生懸命し続け、あげく腰を痛めているのに、休むいとまもなくお勝手に立たされたのである。

 うちの父のマンションなのに、セクハラ親父は態度がでかい上に、男女差別をしている。

 これもまた、セクハラだと思う。

 うちのマンションの温泉を無料で、しかも頻繁に使わせてもらっているくせに、お客面をするから、たちが悪い。

 母が嫌うわけだ。


 ついでに書いておこう。

 母は、仕事の新任でお茶くみをさせられていた。

 それが、男女平等の時代になって、

「もう、お茶くみはいいです」

 と言って、男性教師陣は自分でお茶を淹れるようになったという。

 男女平等の世界で、お茶くみを女教員がさせられるのは、異常なことなのである。


 わたくしは、セクハラ親父にこう言いたい。


「なにを勉強してきたのか? おまえの世界は狭すぎる。サル山の大将か」


 これに尽きる。

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