絶対零度の心にも咲く花

れなれな(水木レナ)

第1話 願いが叶った日

 世紀末を傍観して過ごした、昭和生まれのわたくしです。

 21世紀を迎えてもまだ、あの頃が懐かしい。

 世紀末救世主伝説とか、世紀末リーダー伝とか見てました。


 北斗の拳はアタタタ! ひ~で~ぶ~! あ~べ~し~! ってやって真っ赤な画面を観て、やけにモヒカンが死ぬ作品だと思いました。

 なんであんなの流行ったのか。

 いえ、作品でなくて、作品世界の中のモヒカン。


 確かに、暴走族とか、近所でパラリラパラリラ夜中に鳴ってましたけど。

 アスファルトタイヤを切りつける音、してましたけど。

 バイク事故の現場みたら、並木のイチョウが葉を焦がしてるの、見ましたが。


 それでも、世紀末の大騒ぎと言ったら、自分には遠い世界のお祭り騒ぎ。

 あ~あ~、天皇陛下が崩御なされて、平成が来て、そして新世紀。

 一部の人たちだけで盛り上がっちゃってさ~~。


 という、スタンスなんですが、令和のときも同じで。

 クーラーの効いた部屋で、TVの中の人々がスマホもって、やたらパシャパシャやってるのを傍観してました。

 世紀末と同じです。


 だから、もう一度、新時代を見たい!

 そのためには200年生きなきゃだめだ。

 と、思っていたのです。


 ところが!

 令和、なんだか盛り上がってますねぇ!

 新時代、いいんでないかい?


 こんどこそ、お祭りに参加できるかも!

 そう思いました。

 200年生きなくても願いが叶う、そんな感覚がふつふつとしております。

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