第7話 貫通する魂
「捕まえろぉ!」
天気の良い午後、照りつける太陽の下で、警官の声が街に轟く。
「やっべぇ!
派手すぎたか、思いっきりバレちまったぁぜぇ‼︎」
未羽町にそぐわぬ風貌の男、ピンクのモヒカンにスタッズ付きの肩パット。
令和の時代には数少ない世紀末スタイルのトリッキー野郎は大胆にも、銀行の本社に忍び込み奥の金庫から両手に抱えられる程の金を奪い、現在逃亡真っ最中だ。
「ひぃふぅ..三千万ぐらいか、ちっ!
もうちっと盗れたな。」
木陰に隠れ札束を数えながら堂々と結果を反省する。モヒカンにしては充分の結果だ。
「どこかで継ぎ足すか?
とにかく先ずは、ヅラかるぜ!」
街を揺るがす鬼ごっこは、金と平和を奪い蝕んでいく。
警視庁魂一課
「マスター、コーヒーを一杯。」
返事はまるで無い、コーヒーのドリップ音すら聞こえない。
「なんだよマスターいねぇのか?」
いつものバーカウンターに姿は見られない、朝に席を外す事は特に珍しい。
「おーいマスター!」
「うるせぇよムッキー、返事無い時点で居ない事に気付けって。ていうかどう見てもいないのわかるっしょ?」
「…お前寝巻きもピンクなんだな。」
「だからなんだよ」
「知るか、言っただけだ」
意味の無い指摘でミルカを放り投げ、リモコンを手に取りテレビの電源を入れる。画面の中では、朝から荒々しいニュースが報道されていた。
『本日未明、未羽町の未羽銀行本社ビル内の金庫が破壊され、現金三千万が盗まれました。』
「未羽銀行本社ってーとあのでっけぇビルの事か」
「金庫ってのは銀行特有のイカツイ奴だろ、良くあんなもん壊したな。」
いつもならばこのような騒動が起きたなら、ニュースを見るまでも無く依頼として署に届くのだが、情報通が一人いないのみでここまで出来事を俯瞰で見る事になる。
『男の人相は、ピンクのモヒカン、眉間にしわの寄った少し強面。
服装は袖の無いレザー生地の上着、両肩にスタッズ付きの黒色の肩パットを着用、上着と同じくレザー生地の細めのズボンを身に付けています。』
「出来上がってんな。」
「移動はバイクだ、間違いねぇ。」
世紀末のテンプレが今頃街を駆けている頃だ、奴なら金庫に穴を開ける事など造作もない。
「これは人間の仕業か?」
「いや魂っしょ、じゃなきゃこんな奇抜なもん今時見れないと思うわ」
自然は事件としては不自然過ぎる。しかし魂の犯行ならば、容易に姿を人に晒す事は無いはずなのだが、如何様か
街に憑いた目立ち屋の自縛魂か?
「会ってみる価値はありそうだな。」
「え、行くのマジで?」
「ああ、魂だったら面倒だからな」
「えぇ..。」
露骨に嫌そうな顔をして外に出たがらない。〝あんまり関わりたくない〟とでも言いたげだ。
「行くぞ、ほら!」
日本刀を携え外へ出るように促す。
「何その感じ〝強い奴に燃えてきた〟的な、今更出すのそういうの。
アンタもう36歳だよ?」
熱き闘争心に衰えは無い。
彼のワクワクは止まらないようだ。
「へぇ、銀行強盗か!
派手なことする奴がいるね」
「ぎんこーごーとー?」
「金の家から誘拐する人がいるんだよ、小さなお金をね」
「へーそうなんだー!」
早い話が壮大な借りパクだ。
「会ってみたいなーその人にー!」
「え、会いたいの?
珍しい子だね、ホントに」
「ねー行こうよーねー!」
「えぇ..行くの?
軽ーい気持ちで言っただけなんだけどなぁ」
こう見えてインドア派なリブライ。実際にどう見えてるかは知らないが、外に出るのは実は苦手だったりする。だからこそ我が家に上質なホテルの一室を選んだのだ。
「行こう、リブライー!」
「わかったよ、どうせ選択肢無いんでしょ僕には」
渋々の了解、プルトが相手では最早拒否権はゴールドカードだ。
そんな一部で話題のスポットとなった未羽町では、赤いランプを点滅させるパトカー共が、未だ刻のインフルエンサーを追っている最中だった。
「ちっ、しつけぇ連中だ!
何を見つけて追ってきやがる?
よく見失わねぇもんだぜ。」
当然だ、走れば走る程、大きな目印が動いてる様なものだ。見失いようが無い。
「オレの目的はてめぇらじゃねぇってのによじゃじゃ馬共が、ゾロゾロ列作って歩き腐りやがって!目障りなんだよ!」
ご立腹のピンクモヒカン。何が目的かは知らないが、追われる身もいうのも大変である。特に警察というのは大袈裟だ、大して高尚な動きを見せない割にめちゃくちゃに威張る。悪いのは確実にモヒカン側なのだが。
「寝床を確保しておくか、夜中に追い回されちゃ迷惑だからよ」
金の入った袋をクリスマスの愛され老人の様に肩に抱え、一時的に身を潜めていた塀の影から表へ飛び出すと、無造作ヘアとピンクパーカーの二人組が
仁王立ちで男を待ち構えていた。
「動くなモヒカン」
「あん、誰だテメェら?」
「警視庁 魂(ソウル)一課
ムッキー&ミルキーだよ!」
「気持ちの悪りぃ名乗りすんなバカ!
書いてあんのか手帳にそうやって!」
「..書いてあるよ?」
記された事をそのまま口に出しただけ、ふざけているのは発行元の奴だ。
「お前魂だろ、自縛魂か?」
「..お前そんな事知ってやがんのか」
「そういうの専門でやってんだよ元々な。」
魂裁きの日本刀を陽に透かしながら鋒をモヒカンに向ける。
「へぇ、刀持ってんのか!
オレと一緒だな。」
肩に抱えた袋の中から一振りの刀を抜き出す。刀身は、僅かに祥吾よりもリーチが長い。
「チャンバラごっこといこうじゃねぇか、なぁ!」
「そうはいくかスタッズ革ジャン!」
「あん?」 「私達が相手だ」
四方の影から複数人の警官が現れ、拳銃片手に男を囲む。
「あぁそうか、お前ら警察の連中だもんな..そりゃこうなるわな」
「スタッズ革ジャン..ちょっと指摘する特徴変えてきたな。」
捨てたものじゃない、日本警察の臨機応変な対応。
「動くな、一歩でも動いたら一斉に撃つ。」
「随分仲良いな。
お前が呼んだのか?」
「俺は呼んでねぇぞ、友達いねぇからな!」
「威張んなよぼっちオヤジ。」
朝起きて占いを楽しみに見る中年の友達ができるといいが、マッチングアプリでも入れてみるか。
「久し振りだなぁ、こんなに客がいるのはよぉ..」
「それは良かったな」
「ああホントにツイてるぜぇ、俺は死ぬ前ロックバンド組んでてよぉ、客の前で唄い狂ってたんだよ。」
服装は、その名残。
と、思われがちだが単なる趣味だ。
クール弾ける独自性の賜物がこれだ。
「でも俺は音楽に未練を残しちまってよぉそのせいで、いくら唄ってもギター弾いても、今じゃ誰もオレの事見てくれねぇんだよぉっ!!」
生前から執着した音楽に、死後は嫌われ、常に無人ライブを強いられる、皮肉なものだ。
「だからオレはよ..」
ガサゴソと袋の中を漁り、何かを探る
「何をしている!撃てぇ!」
不審に思った警官達は一斉にモヒカンを狙う。
「悲しいときに音楽に触れるようにしてんのよ。」
袋から取り出しのはギター、指を弦に触れ掻き鳴らすと実体ごとモヒカンが消滅し、銃弾は身体をすり抜けた。
「なんだと!?」
「いいねぇ、反応してくれるのか。
有り難いぜホントによ!」
警察に刀を突き立て斬り上げる。
傷口から血は噴き出ず、直ぐに塞がり、中から白いモヤの様な丸い塊が飛び出し、フワフワと蠢く。
「あれは、魂か!?」
「ひぃーふぅーみぃーっと!
ファンを斬るのは惜しいが仕方ねぇよなぁ?」
他の警官も同様斬られた跡から魂を吐き出した後、バタバタと倒れ落ちた。
「ふぃ〜、こんなもんかよ?
言ってた割ににゃあショボいじゃねえのよ!
さぁて今度は魂ちゃんを..」
「お前!」 「あん、何だ?」
「ガキ、死んだ奴が生前の魂に干渉する事は可能か?」
「いや、先ず有り得ねぇよ、表面的に危害を加える事は出来ても魂そのものを抜き出すとか、潰すとかは出来る筈がねぇ」
「お前、何もんだよ..?」
音楽に執着した自縛魂、ただそれだけならそんな突飛な行動は出来ない。
「オレが誰かって?
見りゃわかんねぇか!」
「わかんねぇよ、お前は特に」
光速のレスポンス、その通りだ。
「見たとおりだ、オレはそこらの魂と違う。ちょいと特別なシロモノなのよ!」
「だからよぉ、こんな事もできるんだぜぇっ!!」
一つの箇所に纏めた複数の魂に刀を叩きつける。形を成していた魂は粉々になり、散り散りに空に舞っていく。
「むごい事しやがる..」「キッモ!」
「オレの刀は魂を身体から取り除き、ブッ壊す!爽快感MAXだぜ!」
魂を抜き取り破壊する、祥吾の刀とは真逆の仕様だ。魂を扱う刀が二振り存在するとは、死後の世界も穏やかではない。
「ところでお前ら知らねぇか?
オレは人を探してんのよ!」
「売人か?」
「馬鹿か!
イメージでモノ言うな。」
ドの付く偏見、言っているのは警官だ
「二人組の連中でよぉ〝裁行人〟とかいうらしいんだが」
裁行人、確実に己らの事だ。しかし分からない、別の誰かやも知れない。
「二人の内の一人はよ、白い日本刀を持ってるらしいだよなぁ。」
確定した、はっきりとそうだ。
ここまでのヒントがあるにも関わらず何故この男は分からないのだろうか?
「それって俺たち..」「知らない」
音速のレスポンス、賢明な判断だ。
「なんだよ知らねぇのか。
だったら仕方ねぇ、縁がありゃまた会おうぜ、警官共」
男は言葉を信じ込み、立ち去っていった。意外に素直な奴だった。
「すげぇバカな奴だったな!」
人によって捉え方は違う。
『銀行から三千万を奪い取った強盗犯は、未だ闘争中です。尚、強盗犯が居たと見られる街の空き地に、警官が四人程倒れており、何れも息をしておらず、意識不明の重体です。続いてのニュースです、赤ちゃんパンダの..』
「物騒だね随分と、まぁ捕まって貰っても困るんだけどね」
「わーい!」
「ワガママが止まらないからさ」
「誰のー?」
「自覚無いのがホントに怖いよなぁ」
カラフルな屋根に寝そべりながら、世間の情報を耳に入れる。相方の娘は穴の空いた焼き菓子を口にしている筈なのに、際限なくうるさい。
「ねーこれなんてお菓子ー?」
「ドーナツだよ、他の国の人はバケツで食べるらしいよ」
「いいなーバケツで食べたいなー!」
「海越えるつもりないよ僕は、それにしてもこのラジオってやつ便利だな」
電気さえ通っていればいつでも情報を得られる。しかしそれは人類のルーツで辿れば古代の技術、今や古参の文化だと彼は知らない。
「これ偶に面白い話が聞こえてくるんだけど何なのかな、深夜に多いんだけど..」
「おいっ!」 「え、何?」
アスファルトから見下ろすカーニバル感強い男が眉間にしわを寄せてカラフル屋根の黒フードに睨みをきかせる。
「お前ら今すぐ降りて来い!」
「アイツってもしかして..」
「わーいとーぼーはんだー!」
「ちょっと慌てないのー」
まちに待ったいつぞやのアイツ、テレビで見ててファンでした。
「よっと..」
「わー!本物だー!」
「なんだコイツ!?」
「あんたのおっかけだよ」
「おっかけ?
俺のファンか!」
久し振りの響きに多少グラつくも、演奏やパフォーマンスを見せられない悲哀から直ぐに立て直した。
「とーぼーはんドーナツ食べるー?」
「ちょっと黙っててよプルト、で?
僕らに何かあんのかな」
「あぁそうだ、お前ら〝裁行人〟か?
二人組だしそうだろ、なぁ!」
「本気で言ってんのそれ?
僕らは裁行人じゃないよ、裁行人はもうちょっとくたびれた人達でしょ」
「くたびれた?」
「そ、くたびれた
ボサボサの髪で髭面で、片方はバカみたいな色のパーカー着た小ちゃい子」
モヒカンの頭に、他人一組だけ該当する二人組が浮かんだ。
「はっ、アイツらか!」
「多分ソイツらだよ、わかったら僕行くから、プルトももういいよね?」
「うんいーよー。」
朝からわがままに付き合わせされ直ぐに家に帰りたくて仕方が無かった故少し機嫌が悪い。感情の類は持ち合わせてはいないが彼の活動テーマが〝怠惰〟の為振り回されて面倒を被るのが不快なのだ。
「いや待てよ?
嘘付いてねぇよな、おいお前ら!」
「何...?」
「うおっ..!」
冷淡は気迫、怒りとは違う肌寒く凍える圧が精神を硬ばらせる。
「悪いけど、話しかけないでくれる?
酷く面倒だからさ」
冷えた口調でそう言うと、カラフル屋根を飛び越えて見えない向こう側の景色へと姿を消した。
「またねーとーぼーはん!」
小さな娘もちょこちょことそれを追いかけてついて行く。
「あいつ、逃亡犯の意味解って言ってんのか?」
少なくともドーナツを食べるという事は知っている筈だ。
「アイツらが何者かは知らねぇが、オレは裁行人を追わねぇとな。あの白刀野郎今頃どこにいやがんだ?」
魂遊びのトリッキー警官に再び会おうと腕を回したはいいものの、一度目は向こうからの接近だった為居場所が分からない。ならばてっとり早いやり方としては一つしかない。
「刀でもブン廻して、暴れまわるか」
異常が起きれば、出動する。単純な道理だ。
「はぁ〜疲れた。」
「何が疲れただ、何もしてねぇだろお前」
「食い疲れたんだよ昼飯を」
「食ってただけだろ!
お前が外で飯食いたいって言いやがったから必死こいね店探したんだろ、それも俺の疲労だバカ」
「安くて美味いとこな」
「文句言うな、美味かったならよ」
ウダウダど愚痴を散らしつつリモコンのボタンを押した。部屋のテレビに出た顔は、外で採算見たあの特徴的な髪の男。
『大変です!
街がめちゃくちゃ、それはもうめちゃくちゃな感じになってます!』
画面の中の街はデトロイト化しており、車が横たわり、街灯が破壊され、真ん中でピンクモヒカンが大いにシャウトをかましていた。
「なんだコリャあ!?」
「このアナウンサー新人だわ、ボキャブラが足んねぇ。」
『破壊された街は、なんかこう..スゴイ事になってて、地獄みたいな光景が広がってて、とにかくスゴくてぇ!』
「それカメラか?」
『はい?』 「ちょっと貸せ」
「おいおかしな二人組、オレはここだぜ!今すぐ来てみなぁ!!」
電波に乗せて、思いをシャウト!
「あのバカヘッドっ!
ロクでもねぇことしやがって。」
「やっぱ新人だなコイツ、表現が壊滅的だわ」
このまま奴を野放しにしておけば、外的に知られると厄介な魂や契約、裁行人や管理人の事まで言われかねない。
「今帰って来たとこなのによ。
行くぞ、ガキ!奴を止めに行く!」
「みんな初めはそうなのか?
いや、おはようテレビのあいつは最初からもっと..」
得意不得意があるというが、天性のスキルが存在する事も事実だ。大事なのは出方にもよるが、どう己を見せるかという事になっていくのだろう。
モノを言うのは、独自性だ。
数分後、暴動は静まった。
モヒカン男は倒れた車の上にあぐらをかき、一人待ち続ける。
「テレビの連中は追い出したが、隠れて何処かで見てるんだろうな。んなこたどうだっていい、来るんだろうな?
裁行人の連中はよ。」
道路を破壊し、己の敷地を作った。
住人は避難し車は通らない。占拠されたモヒカン小国が中心にできた。
「待たせたな。」
「お、来たか!よく来たクソ共め!」
「カメラマン、回して下さい。」
やはり陰に隠れてた、しつこいマスコミテレビクルー。
「..おい、どういうことだこりゃあ」
円を描いてモヒカンを囲む、複数の奇抜な人々が顔を揃えて現れる。
「あんた言ったよな?
おかしな二人組を求めてるって」
「あぁ?」
「オレ達はパフォーマンスコンビ
ザ・ラテンのジョーとスグルだ!」
「私達はお笑いサークル期待のホープ
「天真爛漫」のユイとサクラ!」
「私達は、雰囲気のヤバイ手術(オペ)をやり過ぎた結果病院を追放されたドクターの刈谷崎と麻酔医の斑尾」
言葉を誤った。
〝おかしな二人組〟とたげ伝え、詳しい特徴を伝えなかった為、街に潜む様々なヤバイ二人組がこぞって集まってしまった。
「なんだテメェら!?」
非常に厄介だ、最近の素人は特に痛い。確実に爪痕を残しにかかる。
「見て下さい、悪党を囲み立ち向かう勇者達!流石の悪党もこれには度肝を抜かれている事でしょう!」
絶対に逃がさない撮影陣、最早逃げ場は無いともいえる。
「はっはっは!
覚悟しろ悪党め!」
「今すぐ私達が始末してくれるわ!」
「君は良い材料になりそうだ!」
「‥静かに、眠れっ..!」
「いい加減にしやがれテメェら!
恥じらいってもんがねぇのか!!」
出しゃばりミーハー達もノッて来た。
こうなるとモヒカン男など地味な常識人だ、まるで目立たない。
「着いたか、って何だあれ?」
「なんか良くわかんないけど、あんまり近付きたくないんだけどアタシ」
そこに本当の二人組が到着。
「おおっと新たな救世主が!
戦隊ヒーローでいったらさながらピンクとブラックといったところでしょうか!もう怖いものはありません、街の平和は約束されました!」
「なんだか良くわかんねぇけど行くぞ、ガキ!」
促す形で祥吾が先を行く。
「カメラさんテープ替えといて、長引くかもしれないので。」
「……あんた」 「私、ですか?」
「今の表現良かったじゃん、見誤ってたわ、おはようテレビ決まりだな」
パーカーピンクの褒め言葉、咄嗟の機転を高評価している。
「あ、有り難う御座います!」
「んじゃあアタシ行くわ、じゃね。」
桃色の背中に言葉を重ね、己の身に刻み精進に励む。こうしてヒーローは誕生する。彼女のスマホの待ち受けは、暫くパーカーピンクだろう。
「おい、バカヘッド!
来てやったぞ。」
「おお来たかクソ共、テメェらだよ」
「バカヘッドでいいんだ、まぁ利口では無いもんなあれ、ダッサイ頭」
散々馬鹿にしているが自らが一括りに〝クソ共〟と呼ばれている事には気付いているのだろうか。
「お前ら、誰だか知んねぇが離れろ!
コイツは危険だ、すぐに逃げろ。」
「お、おうお前も気をつけろよ?」
「頑張ってブラック!」
戦いを預け身を引く同士達。
「本当に逃げんのかよ、マジで出しゃばっただけだったんだなコイツら」
「おお神よ、彼らを導きたまえ。」
「光明のなすままに..。」
「おい、なんかキャラ変わってんぞ、お前らもっとヤバい感じだったろ!」
キャラ改変など良くある事だ、休載した後の主人公は大体別人に変わっている。
「邪魔な奴は消えてくれたみてぇだな、まぁハナっから呼んでねぇんだけどよ。これでテメェを叩っ斬れるってもんよ!」
刃を舌で舐めるという古臭い動作をした後狂乱の如く飛び掛かる。負荷がかかる事うけあいだが仕方ない、刀を盾にそれを受ける。チリチリと摩擦する刀身。力関係が講じて大きくモヒカンが勝る。
「ガキ、離れろ!」
「離れろったってさ、結構ヤバイ状況なんじゃねぇの?」
「いいから離れろ!」
最早力量の限界、他者を気に留めながらの戦闘をする余裕は無い。
「……あ、まだ腰に下げてたんだ」
手一杯の祥吾の腰回りをガサガサと揺らす。
「おいテメェ、ふざけんな!
シャレにならねぇんだよバカ!」
「気にすんなよ一人じゃキツイだろ?アタシが力貸してやん、よっ!」
男の世界とやらを見て見ぬフリするモラル度外視の横槍攻撃。意気揚々としていたモヒカン刀は意図せぬ特殊警棒の頭突きに愕然し、縦の動きから横に吹き飛んだ。
「無茶しやがってお前はよ..。」
「してないっしょ別に、つーかなんでまだ持ってんの?」
「..返しそびれてたんだよ!」
何かに使えるやもとずっと腰にかけ続けていたのだ。姑息とは言わせない。
「カエルの様な声を上げとんでいったモヒカン男は顔を抑えて悶えていた。
「大丈夫かー?
鼻折れてるっしょ、折れてないか」
「折れてねぇよ!」
「そりゃ良かった、不細工のままだ」
不出来な顔面のクオリティは保たれている、尚も健在だ。
「クソ共が、余計な事しやがって!
オレを怒らせやがったな!?」
倒れる車に刀を掠める。
刃に湯葉の様に車体と同じ形の白いモヤが絡みつく。
「これはこの車の魂だ、質量も出るスピードも同じ。テメェらが来る前に随分と刀斬ったからよ、全部見せてやるぜ、好きな車種が有ったら言ってくれよ。」
「んな事出来んのかよ」「キッモ。」
有機物だけでなく無機物も。死人に口無しとは言うが、ここまで言葉を失うとは死んだ心地もしないだろう。
「スピードの加減が難しくてよ、MAXでいいよなぁ!?」
「イカれてんのか?」
「その通りよ!くれてやらぁ!!」
高速の鉄の塊の魂が飛んでくる、接触すれば大事故となり、刀で捌こうにも速さが伴わない。どうしたものか?
「オラオラオラオラァ‼︎」
奇抜ヘッドは止まることを知らない。これでもかと死んだ車を走らせる。
「逃げるしかねぇか、ガキは離れろ」
「マジで言ってんのか!
避けるよりムズいじゃんか」
「ったく!
俺が車ぶったぎって隙をつくる、その間で上手いことやれ!」
「んな事言って車見えんのかよ?」
「見えねぇよ!」
手探りと刀の引っかかる感覚だけで車を捌こうと試みる。危険だが、どうせ放っておいても手がつけられないに危険だ。別の種類の危険を選ぶにすぎない。
「無謀な奴だぜ!
嫌いじゃねぇ、オレと似ててなぁ!」
「売れねぇロッカーと一緒にすんな」
「そこそこ売れてたわァ!!」
生前の悲哀と共に車が駆ける。しかし幸いにも相手は魂、刀の範疇だ。
「コツはおそらく..大きく踏み込んで、先端延して..斬って、戻るっ!」
ウロチョロとせず、箇所を決め、動きの順とモーションを固定する。そこから左右、正面と臨機応変に処理していく。こうする事で一定の場所で動きは止まり、後方に隙が生まれる。
「あの人、何やってるんですかね?」
「複数の車を壊しています。
避けきれないでしょうから、仕方ないでしょうね。」
「…はぁ、そうなんですか..。」
おかしな事を言う人だ、そう思われても仕方ない。他のクルーには、車は愚か祥吾ですらも見えていない。叫びを上げるモヒカンの前で、少女が直立しているのみの映像を撮っている。
「カメラさんズームできます?」
「お待ち下さい、今やります。」
画面を拡大し、被写体を狙う。
「..あれ、おかしいな」
カメラの調子がおかしい。
被写体にピントが合わず、漸く合っても映像に不具合が生じる。
「どうしました?」
「いや、少し様子がおかしくて..」
魂の放出が膨大過ぎて、健康な機材に影響を及ぼした。風邪を引いたようなものだ。
「少し表に出てみるか」
光を入れる為、陰から姿を現した。
「よし、今だガキ。
距離取って離れろ!」 「あいよ」
指示通り距離を取って離れる道中、目立つ過ぎる油断に目を取られる。
「あのバカクルー何外出てきてんだよ、今すぐ戻れカメラマン!」
「何か言ってくれてるなぁ、おーい!
そっちはどうなってますかー?」
「バッカ..何叫んでんだよアイツ。」
当然その声は男の耳にも入り込む。
「あぁ、なんだアイツ?
テレビの連中か、やっぱり隠れてやがったんだな、耳障りなゴミ共だぜ。」
進路の標準を向こうの大男へと変更する。
「消えやがれ、画面の住人共!!」
「なっ!?」
そこそこダサい掛け声と共にクルーに車を発進させる。当然カメラマンはそれを見る事は出来ないが、衝撃は確実に直撃する。見えない武器に殺されるのだ。
「逃げろよ!突っ立ってんだ!!」
「見えねぇんだよ、車が。」
「ちぃっ!」
「無駄だ、間に合わねぇよ」
「カメラさん!」「え、なになに?」
諦めかけた、数キロ離れた所を走る車に追いつく筈も無く、皆が肩を落としたその時、車の左頬に手を翳す者がいた。
「逃亡犯くん減点、それじゃあいつまで経っても免許取れないよ?」
腕に掴まれた暴走車は、右側に流される様に放られてスクラップと化した。
「何だぁ?」 「てっめぇ..!」
「どうも、教習所試験管のリブライです、安全運転を心がけて..ってもう遅いか、だよね」
気まぐれ自己中黒コート現場に参上。
「お前、昼間の奴じゃねぇか!
何しに来やがった!」
「いやさぁ、テレビ見てたら二人組を募集しててね?
プルトがどうしても行きたいっていうから出掛けたんだけど、場所が全然わからなくてさ、確かにここであってるよね?」
まさかのじゃじゃ馬乱入、街の事態も身の危険も上の空。暇だから来た、それだけの動機だ。
「遊び半分かよ、狂ってんなアイツ」
「分かってた事っしょ?
初めて会ったときからさ」
誰よりも異質、誰よりも奇怪。
タチが悪いのが、感覚構わず全員に姿が見えているという事だ。
「あのーすみません、貴方は一体?」
「ん?
でっかいね、これで撮ってるんだ、肩凝るだろうなぁ」
「ばぁ!
ワタシもいるよー!」
「ひっ、女の子..?」
男の陰から同じ格好の小さな娘が無邪気に顔を出す。
「おっきいねーカメラって凄いねー」
「良く見ておきな?
あとで記憶消すからさ、報道でもされたら面倒だからね」
事実を大幅に改変された都合の良い報道で、民衆の印象操作をされたら堪らない。いっても操作する事が可能なのは死に際の老人くらいだが。
「とーぼーはん、こんにちはー!」
ファンの歓声一人の抑制。熱狂的支持者の割に名前は全く知らない。
「逃亡犯って呼ぶな小娘!
オレの名はジャンクフードだ!」
クールかつワイルドな荒ぶる名前だ。
「だっせ!」 「あんだとぉ!?」
〝カップラーメン〟と名乗っているようなものだ。
「二体一とはやってくれるじゃねぇか、かかってきやがれクソ共が!」
「いや、別にちょっかい出しに来た訳じゃないんだけど」
勝手な解釈は思考を狂わせる。
平気で思想を人に言うものでは無い、簡単に搾取される。
「〝クソ共が〟って、すげぇ言うけどそれしかボキャブラ無いのかよ」
「仕方ねぇだろ見た目でほぼ表現使いきってんだよ、言葉にまで回るかよ」
奴は個性の限界を既に達している。
方向性というものは難儀である。
「ベラベラ喋んじゃねぇ‼︎」「うお」
リブライには車、祥吾には自ら刀で相対する。
「じゃ、アタシ離れてるわ」
ミルカは限定で開催されるゲリラダンジョンへ、スマホを武器に立ち向かう
「なんでこんな事しなきゃダメなの?
車も刀も興味ないよ僕」
遊び半分で来たものの思う程愉しくない、飲み会のような会合だ。
「ふぃ、はぁ、どらぁっ!」
「暴れんな、モヒカンがっ!」
激しく打ち合う二人、同じ型のエモノだが、振り方がまるで違う。
ジャンクフードはパワーファイター、根っからの力任せの腕力技法。
かわって祥吾は無駄を省き裂く、手術(オペ)のような身のこなし。
これが魂を処理するものと破壊するもの差異、相性はお互いに最悪だ。
「オラオラオラァ!!」
「重て、暴力じゃねぇかコノヤロ!」
大口故に隙はある、すかさず振り下ろした後の土手っ腹に蹴りを入れる。
「痛ってぇ!
てめぇ足出しやがったなぁ!?」
「お前はビルでも振り回してんじゃねぇのか!響くんだよ骨に!」
戦闘というよりは喧嘩に近い、陳腐な争いに成り下がっている。
「あっちはなんだか大変そうだなぁ」
こちら側はというと流れてくる車を右に左にずらすだけ、仕分け作業のように平和で退屈な時間が流れている。
「そういえばプルトいないなぁ、どこ行ったんだろ?」
空を見上げる程に余裕が伺える。
「もう終わりかぁ!」
「勝手に決めんなちくしょうがっ!」
打ち合っては弾かれ打ち合っては弾かれの繰り返し、キリがまるでない。
「ダメだ、いくらやっても決定打に斬りこめねぇ。疲れて終わりだ」
「もうヘバったのか?
なら完全に沈めてやるよ!」
「楽しいねー、チャンバラごっこ!
どっちが勝つかなー?」
「なんだお前ぇ」「小娘の方か。」
スターに寄り添いプルト登場!
モヒカンの足を掴んで離さない。
「ワタシも木の棒持って来ればよかったなー、三人で出来たのになー」
「何行ってんだお前..」
戦闘の流れを乱すマイペースに呆れ果て戦意を削がれる祥吾。
「ね?
とーぼーはん!」
調子の良かったジャンクフードにとっては怒りの対象、ファンといえども煮え繰り返る。
「うるせぇクソガキ..どけやぁっ‼︎」
足元のプルトを蹴り上げシャウトした。蹴られたプルトは吹き飛び軽く地面に叩きつけられた。
「お前何してんだ?」「うるせぇ!」
「う..ひぐっ..うあぁっ〜!!」
痛みで泣き出す黒コートの小さい方、
身体は砂で茶色く汚れている。
「さて、続きといくぜ?」「ちっ!」
「かかってこいやぁ!!」
威勢良く吠えた男への初手の一発は、刀での切り傷では無かった。
「ぐはぁっ!」 「なんだ?」
何か白い大きな物が当たり、モヒカンをすっ飛ばす。よく見ればそれは、車の形の魂だ。
「その子泣かしたのそいつかな?」
「お前..」
鈍い眼光で睨みつけながら、冷めた口調で言うのはリブライ。
「やめてくんないかなぁ、誰が後で宥めると思ってんだよ?」
温度こそ低いが厚めの苛々の鎧を着て爆発的に憤慨している。
「はっはっは、二体一か!面白ぇ!」
「聞いたか?
面白ぇってよ。」 「笑い事なんだ」
中年と怠惰がモヒカンを追い詰める。
「いくぜぇ!祭りだあぁー!!」
車の魂を足へ装着する、こうすることでジャンクフードは、高速のパワーファイターと化す。字面こそ酷くダサいが、確実に協力極まりない代物だ。
「うらあぁぁ!」
「見えねぇよこんなもん!」
「いいから進みなよ」 「何だと?」
適当にモノを言っている、だが行かなければ弱い奴だとマウントを取られている気がするので言われた通り奴の走りまわる先へと進む。
「馬鹿か、突っ込んできやがった!
身の程知らずがよぉ!」
凄まじい早さで移動しつつ刃を向けてくる。当然避けられる訳も無い筈なのだが祥吾に傷はまるで無い。
「そうか、アイツが防いでる訳だな」
祥吾に当たる直前に盾を出し、リブライが一つ一つを防いでいる。移動しながらの一撃の為出どころはランダムに駆り出される。
「やるじゃねぇか管理人!」
「僕こんな役ばっかりだな」
突発的な攻撃を予測して処理する、難儀な仕様だが上手くこなしている。性格上人への助力など反吐を吐く程嫌いな行動なのだが。
「こざかしい事しやがって!
ウザってぇんだよクソッタレが!」
「しゃがんで」 「うおぉ..!」
「斜めからドーン」
低めの位置からの斬り上げ一撃、モヒカンの左肩から血が噴き出す。
「ぐおっ..!」「まだだよ」
リブライが背後へ回り、男を羽交い締める。そのまま後方へ身を預ける。
「何するつもりだよ」
「このまま後ろへ下がっていけば車の魂が有る、それをストッパーにしてコイツを僕ごと刀(それ)で貫きなよ」
「おう、わかった!」
「遠慮ないねぇ、まぁソッチの方が楽だけどさ」
直ぐに後退する二人を追いかけ刀を突き刺す、串刺し状態となった二人は一本の刃の衝撃に沿って、車の魂に打ちあたる。衝突の衝撃で更に刀は深く食い込み、傷を与える。
「ぐあぁぁ...‼︎」
「痛った!
ちょっと加減してよ少しくらいさぁ」
「痛み感じないんじゃないのか?」
「普通の刀ならね?
これはまた別だってば!」
予想以上に痛かった。
初めて血液検査をするときの注射の感覚と似ている。
「はぁ、はぁ..オレを処理するつもりかよ。無駄だぜ、何故ならオレは!」
「残念処理じゃない、破壊だよ?」
「てめぇ..いつの間にぃ...!?」
背中側からもう一太刀、長めの刃を突き立てる。ジャンクフードの身体には、合計二本の刀が刺さり先端を覗かせている。
「ふざけんな、クソッ..タレ共ォ!」
重なり合う両刃の在り方、処理と破壊が相まって、体表を破壊した後魂を葬った。ジャンクフードの魂は、その身体ごと世界から消滅(きえ)たのだ。
「むげぇ事すんな。」
「僕も刺さってるんだけどね」
深々と食い込む刀をぬるりと引き抜く。白い刃に赤い血が、グラデーションの如く塗られている。
「うえっ気持ち悪ぃ!」
「酷い事いうね、っても確かに気持ち悪いね」
魂を処理するエモノ故血液が付着した事は無かった。当のリブライ本人も、己の血を見る機会が皆無だった為お互いに血に馴染みが無かった。
「それって落ちんのムッキー?」
「知らん、後で公園で洗ってみる」
子供の聖地で血塗られた刀を洗う中年を周囲の人々はどう思うだろうか。
「勝手にしてよ、すごい疲れた
帰ろうプルト」
「うん!
じゃーねー!」
さっきまでの泣き顔が嘘の様に機嫌を取り戻し、にこりと微笑み手を振った
「終わりゃ直ぐ他人事か、俺達も帰んぞ、ガーキ。」
「勝手に決めんな!..帰るけど」
事を終え、帰路につこうとした両者の前に、かつての傍観者は立ち塞がり道を止める。
「貴方達、何者なの?」
テレビクルーと報道アナだ。
「ん、アンタテレビの..」
「前出るようになったじゃん。」
飲み込み早く急成長を遂げた報道力に関心するテレビウォッチャー、今後の活躍が楽しみだ。
「答えて下さい、特に黒いロングコートの貴方、何者なんです!?」
勢いだったマイクがリブライに向けられる、熱意の取材だ。
「あー忘れてた、記憶残ったまんまだったね、大丈夫すぐ終わるよ」
クルーの眼前で、指をパチリと鳴らす。音が弾け、徐々に空間に溶ける。
「はい、おしまい
行くよプルト、部屋で休もう」
ポカーンと口を開けたまま微動だにしない、瞳も虚ろで覇気は無い。
「大丈夫なのか、これ?」
「平気だよ、ストロークはあるけどだんだん馴染む、その頃には日常だよ」
情報量が多いと処理も遅れる。衝撃が強いとキャパも増える。Wi-Fiが有れば多少速まるが。
「それまでに帰った方がいいよ、じゃなきゃまた撮られるかもよ?」
「..ちっ、わかってるよ。
いくぞガキんちょ」
「キモい呼び方すんな!
何もわかってねぇだろホントは!」
こうして帰路につく、正真正銘帰り道だ。平穏は訪れた、一先ずは。
悪意は止まず動き続ける。そして何故か大体嫌な奴は、高い処にいる。
「..風が強いな。」
「ったり前でしょー?
ここ屋上なんだからさ!」
「ジャンクフードの奴がやられたってよ、やっちまったな」
「仕方ない事だ、相手が悪い」
「あはは、冷たーい!」
「ま、あんなザコじゃあしょうがねぇだろ。おまけにバカだしな」
「..俺達も動き出すか?」
「それはアンタが決める事じゃないでしょ。」
「じゃあ早速決めてもらおうぜ。」
癖のある連中を仕切る男、静かに佇み街を見下ろす。
「どうするんだ?
我らがダイモンさんよぉ!」
「ああ、動き出せ
オリジナル・ジャッジよ」
裁行の起源達が今、動き始めた。
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