独特な剣筋

「すごい広い!」

佐久間竜也は、アルガードという新たな人生の始まりと家の広大な敷地の広さに感動した。

「あーう、あーう」

そして、アルガードは父のレグスになにかを伝えようとした。

「どうしたんだい、アルガード」

「あーう」

「そうか、広いだろー」

佐久間竜也は、アルガードの身体で必死に伝えようとしたことが伝わってよかったと思った。

「それじゃあアル、そろそろ寝ようか」

佐久間竜也は、広大な敷地を満足気に見ていると、母のリナがもう寝る準備を始めたので、佐久間竜也は「えっ、もう寝るの」と思った。

「あーう、あーう」

そして、佐久間竜也はこんな時に喋れないと辛いと思った。

しかし、だんだんと眠くなってきてしばらくすると寝ていた。

「あう」

佐久間竜也は、目が覚めるとベッドの上で寝ていた。

「そうか、俺、寝ちゃったんだ」

佐久間竜也は、せっかくの広大な敷地を満喫していたのに寝てしまったことに後悔した。

佐久間竜也は、この寝て起きての作業を三年間続けた。

そして、それから三年がたって、やっと一人で歩けて知性があり喋れるようになった。

しかし、アルガードはいつも本棚の前で魔法の本を見ながら剣を素振っていたり一人でみんなが寝た後に一人で魔法剣技や魔法の練習をしていた。

「よし、今日は何しようかなー」

アルガードは、久しぶりに外に出た。

すると、アルガードの二歳下の次男カインと三歳下の長女レイネが剣を振っていた。

「おっ!、アルガード!」

「兄ちゃん!」

「兄に」

アルガードが、久しぶりに外にでると父のレグスと弟のカインと妹のレイネが、アルガードの元に来た。

「どうした、カイン、レイネ」

「兄ちゃん、いっしょにれんしゅうしよ」

「兄に、れんしゅう」

そして、アルガードはカインとレイネの眼差しに負けて一緒に剣の素振りを始めた。

「なあ、アルガード・・・」

「なんですか、父上」

「お前、いつからそんなに剣筋が良くなった?」

「えっ、前から」

「俺、お前に剣の振り方なんて教えてないぞ」

アルガードは、父の言葉に「やってしまった」と思った。

それもそのはず、アルガードの前世の佐久間竜也は剣道の道場によく遊びに行っていて、時々剣道の大会に出ていて、よく優勝するほどの実力者だったのだ。

「まあ、これは俺の自己流です」

「そうか、お前は剣の才能があったのか」

「そうなんですよ!」

アルガードは、「終わった」と思ったが、父の勝手な解釈でなんとか誤魔化すことが出来た。

「兄ちゃん、すごい」

「兄に、すごい」

「ありがとうな、カイン、レイネ」

そして、アルガードはまた素振りを始めた。

すると、それを真似しようとしているカインとレイネは、ごちゃごちゃな剣筋になってしまっているのを見た父のレグスが、「アルガードの真似はしなくていいよ」と言った。

「別にいいやん」

「お前の剣筋は独特だから、カインとレイネには難しいだよ」

「そうか、わかったよ父上!」

そして、アルガードはまた素振りを始めた。

すると、父のレグスが「ちょっと剣を取ってくる」と言って行ってしまった。

アルガードは、嫌な予感がして素振りを集中できなかった。




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