生きる意味を持ちましょう
問題。摩耶夫人の右脇から生まれたとされる釈迦が、その直後に東西南北に七歩ずつ歩かれて右手で天を、左手で地をさして言ったとされる言葉はなにか?
答えは、「天上天下 唯我独尊」です。
そのあと「三界皆苦 吾当安此」と続きます。
天上天下とは「大宇宙広しといえども」ということ。
仏教では、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の六つの世界「六道」を生まれ変わり死に変わり、輪廻転生を繰り返していると説いています。
唯我とは、六道の中で「私たち人間だけに」ということ。
独尊とは、「たった一つの尊い使命がある」ということ。
使命とは、「命の使い道」、生きる意味のこと。
「天上天下唯我独尊」とは、「犬や猫、虫けらに生まれたら果たすことのできない、私たち人間に生まれたときしか果たすことのできない、たった一つの目的がある」という意味です。
「三界皆苦 吾当安此」とは、「この釈迦は、この三界にいながら仏のさとりを開こう、そして、苦しみ悩む人々を本当の幸せに導こう」ということです。
生まれたとき、歩いたり喋ったりできるか? というツッコミはひとまず置いておきます。仏教や釈迦の説明をするために後世の人が付け加えたとしても、です。
では、生きる意味はなにか?
幸せになる、ことです。
アリストテレスやプラトンやソクラテスやカントやフロイトやトルストイも、生きる意味はすべて、幸せになることだ、と言っています。
幸せになるとはどういうことだろう。
お金、健康、財、地位、名声などとはまったく別の、「人間に生まれてよかった」という生命の歓喜を獲ることだそうです。
釈迦はまた、「人身受け難し、今すでに受く」とも言っています。
「よくぞ人間に生まれた、人間に生まれたのはこのためだったのか、人間に生まれてよかった!」という心よりの発露です。
余談として、葉隠聞書の八十五「人間一生好いた事をして暮すべし、但し聞き様では害になる」を書いておきます。
人間の一生は、広大な宇宙にくらべたら誠にわずかな事。だからこそ好きなこと、やりたいことをして暮らすべきである。夢の間の世の中に、好かぬ事ばかりして、苦を見て暮すは愚かである。この事は、悪く解釈されると有害になるゆえ、若い人には話し難い秘伝の話だが、寝るのが好きだから寝る、さぼりたいから拒否することを推奨してはいない。
好きでもないことはするな、というだけだ。
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