プリンス☆プロミス《戦慄の貴公子》
北川エイジ
序
女が近寄るとその鏡は闇を映した。縦長の楕円の闇に吸い込まれるような感覚を覚えながら、女は壁付きの鏡に問うた。
「鏡よ鏡、この世でいちばん強い魔法使いは誰?」
「シュエル・ロウの賢者ジェナルド」
「……賢者を除いた場合には?」
鏡は沈黙し、沈黙はつづいた。女は辛抱強く待った。答えに窮するということは候補が複数存在するのだろう。
やがて鏡は答えを出した。
「二○年後……まで生きているとすれば、おそらくシュエル・ロウのデュカス」
楕円の闇が消え、鏡は女の顔を映し出す。若い美貌の顔には疑問の表情が浮かんでいた。
「シュエルロウ……?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます