愛別離苦

時は、11月30日夜の11時


彼女が私に突然の別れを告げた。


ほかの彼氏ができたのだった。


闇と孤独の中に私をひとり残していってしまった。


別れを宣告された瞬間、淡々と聞いていただけだった。


無になった。


「tはもてるから大丈夫だと思うよ。」


彼女は言った。


この日は僕にとっての原爆記念日となるのだろう。


いつも、いつまでも、


体の外にあるのにこんなにも近く。


あたかも、失った手が痛むように。


私は精神病院の医者に外出禁止令出されてるので、


彼女見つけようにも簡単にはみつからない。


わたしはこれからどうしたらいいんだ。


途方にくれるばかり。


運命は厄介ごとばかり持ち込んでくる。


もう人間として思い残すことはない。


人間としての人生を生ききった。


私が生きた濃い迷妄の世界が、走馬灯のように浮かんでくる!


人間としての最後の人生を、これ以上ないくらい濃く生きよう!


私が、あと人間でいられる時間は4ヶ月もないんだ。


悟ったら、今人間であることは、もう二度と戻ってこないんだ。



私は彼女がいたら悟りなどいらない。それくらい彼女を愛していた。

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