大海原と梅ノ木
詩とは嘘のかたまりだ。
詩より大切なことなんていっぱいある。
飢餓で死んでる子供たちの支援や、周りの身近な人たちへの手助けのほうがよっぽど世の中に必要とされてるだろう。
だから、どうせ詩を書くなら大きく美しい嘘を書こう。
愛は、嘘も真実も分け隔てしないから。
本当に愛してるものについて語るのは申し訳ない気がする。
思い出を汚されたくないんだ。
ああ、また私の全人生が走馬灯のように。
大人という未熟で鈍い仮面。
人格という虚偽。
エメラルドの心臓。
弱肉強食の色。
そもそも、あらゆる精神活動は弱さだ。
では強さとは何か。強さとは生殖である。
自然はあきれるほどの完璧さを女に与えた。
善をなさんとする意志とは悪のことである。
悪はなんと隙がなく厳しく真実なんだろう。
人間ってこんなにも醜いんだね。
人間醜いって昔から思ってたけど、今は昔よりも深くそう思う。
君には見えないかもしれないが、私の目にはあらゆる存在が悟った超人に見える。
あの森に何かうごめいている。
あそこにある。物質が!力が!
君の隣人の目を覗き込んでみたまえ。
闇がある。無限の妄想。敵意と悪意。
獣性が!
フランス文学があれだけ偉大だったのは、男たちが女の尻を取り合って競争し合ってたからだ。
時代は、モンスターを呼び出してしまった。
象徴的権威は崩れ、猥雑なる母が支配する。
その女神はいう。楽しめ!
俺はもう、世界を楽しめるようになっただろうか。
適者生存の自由主義経済が支配する現代社会を。
嗅覚というのは残酷だが、五感の王である。
女たちの器官でもある鼻。
「この人きもいんだけど。」
と女に言わしめる負の性欲の根源ともなる鼻。
オタクや弱い男性が蔑視されるときも、臭いという表現がなされる。
嗅覚は、適者生存とリビドーの感覚である。
俺は理屈が通じないこの世界で十分に勝ってきただろうか。
勝ち組と負け組みがはっきりするこの世界で。
ゲイツや孫をみて人は言う。あの人こそ自己実現者だ。と。
私はまったくそうは思わない。
自己実現とは自分で自分を生み出すこと。
闇を潜り抜けることであり、
ただ単に成功することではないからだ。
人は言う。ドキュンやイケ面コミュ強こそ勝ち組だ。
私はそうは思わない。確かに青春は、至上権であるが、儚く長続きしない。
確かに、思春期の過ごし方は重要であるが、感性の強烈さがなければ、単に御山の大将を演じた過去があってもしょうがない。
あるいは人は言う。健常者はすばらしい。
これも違う。健常者とは自己の欺瞞を覆い隠し気づかないようにしながら生きている存在だ。
みんな超人の影を追いかけてその面影があるものを理想化している。
皆「力」を求めている!
有名な哲学者の哲学を一生懸命に研究した男がいた。
彼はついに、芸術や学問や宗教などは全部気取りであって、ただ生きることの中に成長があることを知った。そうして21世紀に生きるにふさわしい者になった。
すべての幻想が取れた今、ありのままの人生を知ってる私がいる。
ありのままの人生を生きてる私がいる。
あらゆるものに依存せず、いや依存する必要がないとはっきり知っただけだ。
来い!わが正午よ!来い!勝義の光明よ!
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