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 理解? 小唄にはなにも理解できなかった。あらゆることが小唄の知らない場所で勝手に進行していた。小唄はわからない、と素直な思いを古代魚に告げた。すると古代魚は「君は僕のことを信頼しているかい?」と聞いてきた。小唄は古代魚にしている、と答えた。

「じゃあ、僕と約束をしてくれないか? これからやってくる女性の提案には乗らない。どんなことを言われても、必ずその提案を断って、その女性と一緒に行動しないって」と古代魚は言った。

「……その前に一つだけ確認しておきたいことがあるんだけど、いいかな?」と小唄は言った。「なんだい?」と古代魚は言った。「……僕たちは、友達だよね?」と小唄は古代魚に聞いた。すると古代魚はにっこりと笑って「そうだよ」と言ってくれた。

 それで小唄の答えは決まった。 

 小唄はなにも理解できないままに、「わかった」と言って古代魚にそのことを約束した。すると古代魚は安心したような顔をして「ありがとう」と小唄に言った。

 古代魚はぽちゃんと水面からジャンプをすると、そのまま水の中には戻らずに、空の中を泳ぎ始めた。小唄は古代魚が彗星に向かって泳ぎ出そうとしていることに気がつくと、「さようなら……、なんだね?」と古代魚に言った。「うん。さようならだ」と古代魚は言った。「もう少しお話しできないの?」と小唄は言った。「もう行かなくちゃ」と古代魚は言った。

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