第19話 夏の終わり

8月半ばのある日のこと

仕事を終え玄関前に着くと、なにやらビニール袋に入った大きめの物体が

ドアの横にありました。


うーん?

ビニール、ごみ? 誰がゴミを置いてったかなー?(`・∀・´)

と思いつつ、顔を近づけて見てみると、袋の中は ぬいぐるみ でした。

たくさん入ってる



よく見るとその中にその中に

大事にしてたメープルリーフを持った、薄茶色のコアラのぬいぐるみが!

(・Д・)!


それから

夕食の支度をして、さあ食べようかというところへ、電話がかかってきました。


「袋、見た?」

母です。

「見たよ、あれば私の大事なぬいぐるみじゃないの!」( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

「ん? だって中のワタが出ちゃってて、虫なんか着いたら怖いじゃないの」


ちょっと想定外で混乱してしまいました。

(お母さん、わすれちゃったんだ!?)

「確かにワタは出てるけど、お父さんが唯一私に買ってくれた

ぬいぐるみじゃなの!?」

(正確にはパチンコの景品で取ってくれたやつだけど)


「じゃあどうするのよ!」

「そうだね、、まあなんか変なオレンジ色のわた出てるね」


ということで、電話を切ってから、改めて玄関の袋をあけて色々みると

なんのシミだか、薄茶色の上にさらに得体の知れない濃い茶色い部分が

チラホラ… なんだこれは

(。-_-。)


その後、

じっくり思い出が蘇ってきました。


父は、36でこの世をさりましたが、

生前は仕事で中々家におらず、ごくたまに遊びの時間に一緒に

ついてった時にパチンコで沢山玉が出まして

好きな景品を選ばせてくれたときがあって、それがこのコアラでした。

私が小学校五年の時に亡くなったので、その後は後生大事にこのコアラ

を父と思って話しかけてきました。


(またこれは涙ジミで白く硬くなってるところがある?)

とまあ色々汚いけど、想いが詰まってます。


母が捨てたいのは終活さながら家の整理のためのようです。

ですがそう言うのってなかなか捨てられないですよね (´ー`)


ぬいぐるみのお直しへ🧸Go!

その袋待ったー!

と、またイソイソとタンスに戻しました…


これは、私の終活の際に捨てるヤツです


おしまい

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