第15話 目覚ましならぬ暗転
夜の時間帯に電車に乗っていると、座席に座っている人のなかに、本格的に寝入っている人を見かけることがあります。
また、つり革につかまり、グラグラ揺れている人は、酔った帰りで睡魔と戦っているようです。すでに負けてしまっている人は、扉の前で座り込んでいます。
そしてある日の夜、、
私もつり革で同じ事になりました。
睡魔ではなくて目の前が暗転したのです。
気がつくとその場にしゃがみ込んでいました。
「大丈夫ですか!?」
女性や男性の声が聞こえてきました…
大丈夫と答えたかったんですが大丈夫じゃなくて答えられませんでした。
「どれか駅員さんに伝えてください!」
と続いていうその女性の声が聞こえてきました。
それから誰かが腕を回して電車から下ろしてくれたのです。
「すみません、ありがとうございます」
ベンチに座らせてもらって、親切な女性が隣に座って色々と声をかけてくれます。少し経つと頭を上げられるようになりました。
「もう大丈夫です。ごめんなさい、一緒に電車を降りる事になってしまって…」
「いーえー、大丈夫ですか?」
「はい、もう1人でも大丈夫です、暫く座って落ち着いたら帰ります」
「では、私は帰りますね」
「ありがとうございました」
(世の中には親切な人がいるもんだな…)
さて
2杯以上呑んで夜の満員電車に乗ったときは必ず酔って暗転する時があるなぁ
怖いなぁ
しかも次も満員電車だろう… キモ…
でも
あの親切な女性に感謝しないと
私だったらあんなに機敏に出来るだろうか。
しかも一緒に降りてくれて
心からありがとうございます。
お礼をしたいけどお礼なんて出来ない大きな出来事でした。
日本には優しい人がいて、キモち悪くなっただけの事はあるかな
おしまい
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