act3 道すがら
無事に『黒い波』を
『――あービビった。やっぱ不測の事態って慣れないわー……』
「……初めての実戦は成功ってことで良いんですか?」
『残念ながらまだ終わってないんだなー。ヒント、私は朝なんて言ったっけ?』
「すいません。……
『正解、さっきの黒い波は
そういう訳で、作業服の赤髪碧眼少年ツラヌイは
ちなみに、
「そういえば施設や村は無事でしたか?」
『問題なーし。村も採掘施設もアンドロイドも』
「それは良かったです」
時々、魔獣と呼ばれる
そうなると手持ち無沙汰なので三鬼と雑談を――もちろん最低限の注意を払いつつ――することにした。
「長距離歩くのって久しぶりです」
『間違っても
「ヒエッ……。何でそんなモン使ってるんですか」
『しょうがないでしょー、
「生き物を飛ばしたらどうなるんでしたっけ?」
『もれなく魂が吹き飛んで
「あー、犬の魂もデータ化できれば良いんですけどねぇ」
話題が終わってしばしの沈黙。ツラヌイには辛い空気だったが、幸い三鬼が新たな話題を提供してくれた。
『あ……、今回の作戦について詳しく話してなかった』
「全部『グングニル』で吹き飛ばしますし、なんでも良い気がしますけど」
『よくねーよ、もう。おそらく今回潰すのは仮拠点、前線基地。敵の目と鼻の先に本拠地を置くやつはいない。なら本拠地は別の場所にある訳で、それを潰さないといけないのよ』
「あー……仮拠点から本拠地の情報を収集しろってことですか?」
『そうそう。まぁ別にステルスゲームみたいに潜入しろって話じゃないから。全員ぶっ倒して、その後ガサゴソ探せばいーのよ』
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