信滅異界戦争

ヨウゲツ ゾンビ

1.神奥の夜明け

act1 8:00

――ダウンロード中………完了。

――インストール完了。


――システムオールグリーン。


品森鉱業株式会社

No.012

登録ユーザー名:貫威ツラヌイ疾見ハヤミ

区分:一般従業員

おはようございます、貫威ツラヌイ疾見ハヤミ様。

今回のスタートゲートは、アルファ村です。

今日も安全を第一に、楽しく元気に働きましょう!

それではお気を付けて!


…。

……。

………。


緑の作業着を着た赤髪碧眼の少年が目を開けると、前方には異世界の村があって。

手には真っ黒なアタッシュケースが握られていた。


村では人が……いや、人そっくりに作られたアンドロイド――人そっくりなのは異世界人の抵抗を和らげるためだ――が採掘施設を稼働させるための機材を運んだり、村の力仕事を手伝ったりしていた。


『あーあー、ツラヌイ、無線は聞こえてるー?聞こえてるね、よし!』


元先輩現上司の突然の通信テストは一瞬で終わってしまった。


「あの、ソレはテストの意味を成しているんですか……?」

『大丈夫、大体わかってるから』


答えになってねぇよ…と思いつつも、高校時代からこんな『私は何でも知っている』って感じだったなぁ、とツラヌイは質問を放り投げて本題にいくことにする。


「えー、今日は何をすればよろしいんでしょうか、三鬼みき先ぱ……三鬼さん」

『今日やるのは、業務を妨害する反抗勢力レジスタンスの掃討』



『ちなみにそいつは5分後ここに来るよー』


「ちょっと待てオイいやゴメンサナイ待って下さいッ!!」








ズザ、ズザザザ――ザザザザザザアザザザサザザザザザザ―――ヴン!!



「あ、あ……」


ツラヌイが倒れる。その体の中心に、大きな穴が空いていた。


「やめろ、やめて」


命がこぼれていく。


「とめて、いやだ」


止まらない。止めることが出来ない。

そんな権能ちからを彼女は持っていない。


「だれか……だれらっ、たすけてえええぇぇえええええええぇえ!!!」


そうして彼女は壊れる。

これで



ズザ、ズザザザ――ザザザザザザアザザザサザザザザザザ―――ヴン!!




今のは……?


異世界関連だから、ビジョンが不明瞭で不安定だ。

精度も悪いだろう。


……一応注意しておこう。

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