ラヴクラフトパンプキン1

 「これは……………」


 「デカッ!」


 二人で絶句した。


 急いで叫び声のする方へ走って行くとそこには南瓜の様なものがいた。


 南瓜の様なもの。


 少し前の八百屋さんの店先に並んでいたあの手のひらサイズ南瓜の様なもの……では無論無く、


 かと言ってさっき迄収穫していた南瓜の様なもの…………でも無い。








 『名状しがたい南瓜のようなモノ』…………………だ、これは。








 デカい。


 顔が厳つい。


 ゴツい。


 ヤバそう。




 さっき迄相手にしていた奴らは人間よりちょっと大きい位。


 ハロウィンのジャックオーランタンに蔦をくっつけた様な奴だった。


 言うなればハロウィンの怪物だった。




 今、俺達の目の前、助けを求めていた声の主の青年を、タケノコの時の俺みたいにぶら下げている奴はヤバイ。


 動物園の象サイズの南瓜から大樹の枝並の太さの蔦が伸び、ねじれ、人間の五体の様なものを作り出したそれは、南瓜頭に触手の身体のモンスター。


最早クトゥルー神話の邪神だった。








 「鎌爪さん。如何します?


二人でこれを倒すのは最早サイコガ●や斬魄●や……が必要なんじゃ無いかな………?なんて。」


 流石にこのサイズは吃驚。


 世界観無視感が半端無い。


 「俺達がやらなきゃあの子は助からん。」


 鎌爪さん、構えている。


 ………仕方ないよな。


 ありゃ俺だ。


 タケノコがクトゥルー南瓜になっただけの俺だ。


 ここで見捨てたら俺はあの時死ぬことになる。


 意味が解らないが、ここで見捨てるのは過去の俺を見捨てる事になる。


 面倒だが、仕方ない。(と言っても、やれるかどうかは怪しいのだが。)




 「助けましょう!」


 「だからそう言っているだろう。」






VSクトゥルー南瓜戦 開始。




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