観察力
そんな風に思いながらノスタルジック(と言っても一年も経っていないのだが。)になっている内に、彼は去って行った。
何かから逃げるかのように。
「…………………妙だな。」
鎌爪さんが唸る。
去った農家の方と、来た方の両方を交互に見て唸っていた。
「何がです?
もしかして、髭があれだけあるのは土が付き易いからダメとか、有るんですか?」
素朴な疑問をぶつける。しかし、違っているようだった。
「クロ。お前、鉈の運用方法。知ってるか?」
鎌爪さんが訊いて来た。
「勿論です!鎌爪さんが教えてくれたでしょう?バッチリ覚えてます!
鉈は従来の鉈同様の片刃の大きめの刃物で、刃は厚め。攻撃力は割とあるし、その割に構造が単純だから割と軽量。初心者向きのノーグ。
鍬の重さや鎌爪の速さには一歩劣る、器用貧乏……………に見せかけて両手でちゃんと持って当てれば主力攻撃になるし、動き回ってサポートも出来るし、逃げる時の
使い手の技量がよく出るノーグ…………。でしたよね?」
鎌爪さんがトラックの道中に農業関係の事を色々教えてくれる。
これが意外とエピソード付きで解説してくれるから面白い&分かり易い。
『鎌爪さんのトラック農業解説』とか言って本にしたら売れそうだ。
「その通り。じゃぁ、俺の言った意味は?」
「……………もしかして…………両手持ち?」
「正解だ。」
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