エピソード0:タケノコ狩りに行こう。17

 「本当に、大丈夫なんですね?」


 「おぉ。大丈夫だ。ドンドン採れ。ただし、動いている奴だけだぞ?」








 俺は、命の危機から逃れた後、何故かタケノコを掘っていた。


 さっき迄タケノコ掘った所為で死にかけていた奴が又タケノコを掘っていた。


 「いきなり伸びてタケノコがミサイルみたいに飛んでくる可能性は?」


 「無い。動いている奴はコイツと繋がっている奴だ。


 親竹が死んで、危険を察知して、独立して成長しようと躍起になっているだけだ。危険は無い。


 だが、急いで採れ。こいつ等危機を感じてすぐ竹になる。したら喰えなくなるぞ!」


 そう言いながら土を掘り、タケノコを片っ端から収穫していく。


 喰えなくなる心配かよ………………。


 確かに、俺もそれは心配だが、いや待て。








 説明しよう。


 俺は今、鎌爪さんに指導をされてタケノコの収穫をしている。


 『タケノコが喰いたかったら収穫を手伝え!』


 その一言で俺は手伝う事になった。


 だって喰いたいじゃん。タケノコ。


 しかも、この人を待たないと俺は帰れそうもない。


 と、いう訳で、紆余曲折。凄まじい曲折があって、俺は農業のアルバイトをする事になった。


 結局。過程は予想外だったが、結果は同じになった。








 ガサゴソ蠢くタケノコを掘り、収穫する。


 おめでとう。クロメイカはタケノコを手に入れた。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る