晩餐会での推理
「おかしいな。」
「おかしいわね。」
「妙だな……。」
三人は頭を突き合わせていた。
俺があの後羊を食べつつ説明をしたのは
・ロナンドロ家が盗賊討伐に関わっている事をアリシア嬢から聞いたこと
・彼女は別の場所に居たが、討伐の件で狙われるからとここに戻されたこと。
・その途中で盗賊に襲われて掻っ攫われかけた事
・従者が偽物で俺が看破して退散した事
大体は以上の4つだった。
しかし、それを伝えたところ、二人は首を傾げ始めたのだ。
曰く
・アリシア嬢の居た所は、貴族や騎士の子息令嬢の集まる寄宿舎で警備は万全。特に盗賊が入ったなんて話も聞かない。
・そもそも帰って来る事を知らないし、そんな事命じていない訳だから偽従者も馬車も知らない。ボンゴなんて知らない。
説明の内、半分が否定された。
どういう事だ?
言われてもない帰宅命令を受けて、見知らぬ従者(ならず者)の馬車に乗り、帰路で、ならず者の襲撃を受けた……。
不自然を絵に描いた様な構図。
彼女は見知らぬ男の馬車に乗った。
その従者を、ならず者の倒れていた場所から一緒に逃がし、俺に紹介し、従者と言った。
何より引っ掛かるのはさっきからのアリシア嬢の態度だ。
従者が化けの皮を剥がされて逃げた辺りから、それからずっと、顔が真っ青のまま。
気もそぞろというか、針のむしろの上に座っていると言うか、何か、罪悪感に潰されてなかった?
そう言えば、あの偽従者。最後に何か捨て台詞を言っていたな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます