第18話 望郷の歌、嘆きの歌

 死に際し、倭建は歌を詠んだ。


       大和は  国の真秀(まほ)ろば


       畳なづく  青垣


       山籠れる  大和しうるわし


 そしていよいよ、こときれる間際に、さらに詠んだ。


       嬢子(をとめ)の床の辺(べ)に


       我が置きし  つるきの太刀

  

       その太刀はや


 そうして、息絶えてしまった。


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