お仕舞。しかし少し付け足そう。悪魔の続きと聖女の終わりのその続き。 という訳でもないが、少し残った部分を、少しだけ加えるとしよう。 なに、直ぐに終わる。

「ドレリュゥゥゥンにょしゃチュ!!」


 ダメダメキエルキエルダメナヤツ


 聖女との契約を終え、魂を頂こうと手を伸ばした瞬間。あの感覚が体を駆け巡った。


 ペナルティーだ。


 「オイオイオイオイオイオイ!何?なんだ?何でだ?娘!こりゃどういうこった?」


 怒りで娘に掴み掛る。直ぐにペナルティーの感覚が体を襲った。コイツの契約が未だ生きている。目的を達成したはずなのに…。何故だ?


 「私に言われても、悪魔様、どうしたんですか?」


 娘は俺が発した奇声に驚き慄き、茫然としていた。違う。コイツじゃないな。


 「ってことは?」


 契約書を改めて見る。コイツの願い。願いが叶うまで娘に付き合ってやる。という旨の内容が有るのみ。契約違反なんて………。待て?


 「娘?お前の願い。俺と契約して、力を得てやりたかったこと…。それは…何なんだ?」


 俺の問いに娘はきょとんとしていた。


 「全ての皆さんが幸せに生きる世界を見る事ですが……それが?」


 俺は契約書が血で滲む以前に勘違いをしていた。


 てっきり俺は、この娘は賊の撃退を心から望んでいるものだとばかり思っていた。


 『全ての皆さん』


 その言葉がパズルのピースを繋げた。


 つまりはこうだ。


 「全世界を平和にするため……これ以上こき使われなきゃいけないのかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 悪魔生で味わった最強の絶望がそこには有った。


 短い短い冒険が少し長引くことになった。


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