ゴーレムVS未来の  パーティー2


 やった‼

 通った。刃が通った。

 この前は通らなかった刃が通った。




 『雷魔剣ライトニングロッド』

 棒のように見える。というより、竿(ロッド)の名前の通り、棒である。

 表面に刃物が付いている訳では無い。

 しかし、抜刀するとそれは刃を現す。

 鍔部分から切っ先に掛けてロッドの周囲に風が発生するのだ。

 ロッド周囲を渦巻くその風は、刃となって、触れたものを螺旋で削り、斬り裂くように破壊する。

 雷は出ないが風の魔剣として非常に使い勝手の良い。

しかも、相手は石の躯体のゴーレム。刃こぼれの無い、継続戦闘に適した剣はうってつけだ。

 流石は賢者と言えよう。




 手首を外される事も無く、斬れたことに喜ぶブレイ。しかし、そう簡単にはいかない。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 石の残骸が巻き戻しでもするかの様に戻っていく。

 「ホォ、もう一度やるかのぉ。」

 「もう一度!」

 ジョゴローとブレイが構えた。

 「二人共、一度退がって!

 ブレイはゴーレムの気を惹いて!

 ジョゴローは回復を!テポンお願い!

 私は次の準備にかかるわ。ブレイ!怪我は無いのよね?」

 「無傷‼」

 「OK!ジョゴローが回復するまで待ってて!」

 ゴーレムの回復が若干速くなっている。

 周囲を囲う壁といい、再生力といい、前より早くなっている気がする。

 賢者様の言っていた事。あれを私なりに考えてみた結果を試す方が良いだろう。


 「解った!だがマリッシア!アレを倒しても構わないんだろう‼?」

 フラグを建てる。

 「やれるならいいわ!怪我はしないでね!」


 空を覆う雲が多くなって来た。







 さぁ、俺のターンだ‼

 この前は傷一つ負わせられなかった。

 しかし、今回は違う。魔剣が有る‼


 だからといって先走る事はしない。

前回の事で懲りた。


 皆で強くなる。それを再確認した。

 俺が出来なくても皆が居れば出来るようになる。

 マリッシアが何か考えが有るようだし、俺はマリッシアを信じて目の前の相手に集中しよう。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 迫るゴーレムの拳。前より少しだけ早い。それに刃(棒)を払うように当てる。

 ガリガリガリガリガリギリギリギリギリギリギリギギギギギギギギギギギギギギギギギ

 拳を削り、俺の横を拳が素通りする。

 丸い刀身と風が拳を受け流し、同時に削り取る。

 攻撃にも適しているが、それ以上に防御にも十二分の性能を誇る。

 非常に良い剣だ。


 俺はジョゴローの回復とマリッシアの作戦を待ちながらゴーレムとの一対一を繰り広げた。



 雲行きが怪しくなってきた気がする……………………………………………。







>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

読んで下さる皆様へ

いつも読んで頂き有り難う御座います。

単刀直入ですが、もし、良ければ感想やフォロー等のフィードバックを頂いたり、他作もご覧になって下さい。お願いします。

ここが良かった。ここは少しこうした方が良いなどの改善点等が有りましたら是非お教えください。お願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る