マリッシアへのアドバイス





 「あくまでそれは私の話。あなたの話じゃ無いわ。」

 賢者様は続けた。

 「私は一人で色々やることが多いからそうやって対応するしか無い。

 でも、あなたは違うでしょう?

 魔法使い、神官、拳闘士、剣士。4人で闘うのでしょう?

 あなたが直接戦えないなら他の皆が戦ってくれる。

 他の皆が戦えないならあなたが戦ってくれる。

 そういうものでしょう?パーティーって。」

 「…………………………………………」

 言葉が出ない。

 でも、それでも、皆の力に成りたいのだ。私は。

 「あと、別に戦い方は一つじゃ無いわ。特に魔法使いはね。

 攻撃が出来なくても戦う事は出来るのよ。」

 「私、バフはちゃんと使っていますよ?

 と言っても、苦手なんですが………………………」

テポンさんほどでは無いが、ある程度、一通りは使える。

と思っていると賢者様が人差し指を振った。

 「ちっちっち。残念。そういう事じゃぁ無いわ。

 確かにバフや回復はとても大事ね。でも、それだけじゃぁ無いわ。

 攻撃が出来なくても攻撃魔法を使って皆をサポートする事が出来るのよ?」

 攻撃魔法でサポート?

 聞いたことが無い。どういう事?

 「自分の使える魔法を良く考えなさい。

 相手をよく見なさい。

 味方をよく見なさい。

 そうすれば今まで考えていた魔法の使い方とはちょっと違った魔法の使い方が見えて来る筈よ。」

 それは……………………どういう事?

 「自分の技術や発想の未熟さを見つけて見直してみなさい。物事の性質を理解しなさい。

 そうすればあなたは成長できるわ。」

 ……………考える………ね。

 今は未だよく解らない。でも、『やってみよう。』そう思えた。

 何だか初めて会ったようには思えなかった。

 「有り難う御座います。やってみます。」



 その顔は少し晴れていた。











 そうして時間は過ぎ、茶会はお開きの時間になった。


 「有り難う御座います賢者様‼」

 「賢者様、私、頑張ってみます。やってみます‼」

 「ホォ、若いの二人に有り難う御座います。」

 「賢者様…………本当にありがとうございました。」





 今回は魔方陣では無かった。

 若い二人が『『歩いて帰ろう‼』』と言ったことにより、徒歩で闘技場まで行くことが決まった。

 二人共何かを試したいようだ。





 「じゃぁ、気を付けて。ゴーレム退治。頑張ってね。」









 見送る賢者と去っていく4人。

 4人は再度、古代の闘技場へ向かう。





 今度こそ、ゴーレムを倒し、至宝へと至る為に。








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