雷魔剣ライトニングロッド
ゴーレムVS勇者に成りたいパーティー1
広い石畳の広場。
その周囲を囲むように奇妙な紋様の刻み込まれた石の柱が幾つも等間隔で立っていた。
その中心には石畳と同じ質感の石像が居た。
大きさは5m。人の形を模した、石像というよりはガーゴイルの様な印象を受ける。
全身に赤い石の様なものが嵌め込まれており、それが光を反射して周囲に存在感を放っていた。
「あれだな!?」
腰に剣を差した声の大きな若者が言った。
「間違いないわ。文献にあった紋様が彫られている。それと、あのゴーレム。多分守護者よ。」
赤いローブにとんがり帽子を被ったいかにもという感じの魔女がそれに応える。
「ホォ、古の力の守護者というからどのような悪鬼羅刹が迎えるかと思ったら石人形か。拍子抜けだのぉ。」
そこまで大きくは無いが、がっしりとした体つきの、白いひげを蓄えた初老の男が遠くの石像を見て唸る。
「油断はしないで下さい。あのゴーレム。というか、この広場自体が帯びている魔力は、とてもそこらのダンジョンや魔物程度では比べ物にならない。」
眼鏡を掛けた色白のステッキを手にした優男が険しい顔で言う。
「ホォ、解ってるさ。やせ我慢だ。お前さんには見えんだろうが、あの石人形。とんでもない尖った気を放っとるぞ。」
「それはどんな感じだ!今まで戦った奴だとどんなのに近い?」
「ホォー………ンー………無いなぁ。
あの感じはオークや三つ首狼や、大亀なんかの生き物じゃない。
かと言ってガーゴイルやゴーレムにしてもちぃと違うなぁ。
が、一つ解るのは………舐めて掛かればタダでは済まんじゃろうなぁ。」
「…………でも、アレを倒さなきゃ次には進めないのよね。」
「虎穴に入らずんば………というヤツですね。」
険しい顔が続く。
「よっしゃ!気合い入れて行くぞ!」
その曇り模様を吹き飛ばすように若者が言った。
「冒険しなくっちゃ俺達の目的は果たせない!
だけど俺達は死なないぞ!なんてったって仲間が居るんだ!」
理論など欠片も無い、若者にのみ許された直進思考。
しかし、それ故にこのパーティーは強かった。
「そうでしたね。」
「おぉとも、老い先短いとは言え、まだ死ねんぞ。」
「僕が皆さんを絶対に死なせません。」
分厚い雲を吹き飛ばし、彼らは準備を整え、石畳の舞台へと足を踏み入れた。
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